2001 Fiscal Year Annual Research Report
太陽光の照射環境で長い繰り返し寿命を示すドープ型フォトクロミック高分子の作製と評価
Project/Area Number |
13750837
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
鈴木 隆之 東京電機大学, 工学部, 助教授 (20257215)
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Keywords | フォトクロミズム / 光異性化 / 蛍光色素 / ドーピング |
Research Abstract |
フォトクロミック分子であるスピロピランのメロシアニン構造に可視光を照射すると、スピロピラン体に戻る異性化反応が観測されるが、太陽光をその光源とする場合紫外光を含んでいる。これを効率よく可視光に変換するために、スピロピラン周辺に蛍光色素をドープする実験を行った。 まず、蛍光色素の選定を行った。524nmに極大発光波長を示すトリスキノリノラトアルミニウム(III)をはじめとする金属錯体を上記目的でドープ分子として扱う場合は注意を要することがわかった。すなわち、スピロピランやスピロオキサジンのメロシアニン構造では双性イオンあるいはキノイド構造の酸素部位に金属イオンが結合するケースがある。メロシアニン構造が金属錯体を形成すると、通常のメロシアニン構造よりも安定となり可視光照射によりスピロピランあるいはスピロオキサジンに光異性化する効率が著しく減少する。これは、錯形成したメロシアニン構造からスピロピラン体への速度定数を金属イオンの濃度との関係で示した多数の報告からも理解できる結果である。 多数の蛍光分子より、420nmに極大発光波長を示すペリレンやイオン性液体のエチルメチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルフォナートなどがメロシアニン構造を効率よくスピロピラン体に光異性化することがわかった。スピロピランとのモル比でこれらドープ分子の濃度を変え、光異性化の効率を一定光量の下測定し定量的に評価した。
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