2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13750840
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
瀬尾 和哉 山形大学, 教育学部, 助教授 (60292405)
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Keywords | スキージャンプ / 最適化 / スキーV字開き角 / 前傾角 / 空気力学 / 風洞実験 / 縦3分力 |
Research Abstract |
本研究では、実物大模型を用いた風洞実験と最適化計算を行い、飛距離最大を達成するために、スキージャンパーが取るべき、最適姿勢制御法について調べた。具体的には、離陸から着地までの間にスキージャンパーがとるべき時々刻々のスキーV字開き角及び前傾角(スキー板と体のなす角)の最適制御法を明らかにした。加えて、向かい風、追い風に対するスキーV字開き角の最適制御法も明らかにした。これらの研究結果より、飛距離最長を達成するためのキーファクターをまとめると、以下のようになる。 1.スキーV字開き角は前半に増大させなければならない。その後、26°前後に保つ。 スキーV字開き角を25°一定の仮定で飛距離を計算すると、131mになる。最適化すると、139mとなり、ジャンパーの技術により8mの飛距離伸張が可能である。 2.スキーV字開き角の最適制御は前傾角の最適制御よりも飛距離を伸ばすためにより重要である。 3.追い風時のスキーV字開き角の最適制御は向かい風時のそれに比べてより重要である。 スキーV字開き角を25°一定の仮定で飛距離を計算すると、追い風時:127m、向かい風時:135m最適化すると、追い風時:138m、向かい風時:142mとなり、追い風時には最適化(ジャンパーの技術)で11mも飛距離が伸びる。 4.ジャンパーは向かい風時により広い制御範囲でV字開き角を制御しなければならない。 追い風時には、スキーV字開き角を25°〜28°の狭い範囲で制御すればよいのに対して、向かい風時には19°〜31°の広い範囲で制御する必要がある。 5.前傾角は追い風・向かい風がそれぞれ1ms^<-1>以下の場合には約7°に保つべきである。 6.飛行の前半は抗力を小さく、後半は揚力を大きくする必要がある。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] K.Seo, I.Watanabe, K.Ota, M.Murakami: "The optimization of flight distance in ski jumping"The Engineering of Sport 4. 4. 408-414 (2002)
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[Publications] 瀬尾和哉: "スキージャンプ飛行の最適化"日本機械学会流体工学部門 ニューズレター流れ http://www.jsme.or.jp/fed/news/0211-1.html. 11月号. (2002)
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[Publications] 瀬尾和哉, 村上正秀: "環境を利用してスキージャンプの飛距離を伸ばす ---向かい風・追い風への最適な適応法---"バイオメカニクス研究. 6巻第4号. 292-295 (2003)
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[Publications] K.Seo, O.Kobayashi, Y.Shimizu, M.Murakami: "Aerodynamic forces acting on a rotating javelin"The book of the 4^<th> international conference on the Engineering of Sport 2002. 101-101 (2002)