2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13750861
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
久保田 士郎 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (00294893)
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Keywords | 岩石の動的引張強度 / 水中衝撃波 / 爆薬 / 高速度カメラ |
Research Abstract |
本研究では、動的荷重源として爆薬の水中爆轟により発生する水中衝撃波を用いることにより、従来の動的強度評価法よりも大きな衝撃エネルギーを岩石試料に作用させることが可能な実験装置を提案・試作した。この装置の特徴は、円筒状岩石試料と爆薬の間に配置された水パイプ長さを変えることにより、動的荷重を変化させることが可能なところにある。平成13年度では岩石試料を来待砂岩(直径60mm)として、水パイプの長さを30mm〜300mm(以下Lwで表す)まで変化させた実験を行った。研究内容と得られた結果は以下の通りである。 爆発実験計測項目 1)爆源と反対側の円筒状岩石試料端面の自由面速度、2)高速撮影によるリアルタイムの岩石試料側面の破壊状況写真、3)実験終了後、回収された試料による爆源近傍の破壊状況 検討結果 1)爆源近傍の破壊状況 水パイプの長さをLw=70mm以上にした場合、爆源近傍では顕著な破壊は確認されなかった。このことから70mm以上の場合・岩石試料中を伝播する波は、爆源側の破壊の影響を受けないと理解できる。爆源近傍にて圧縮破壊や引張破壊を考慮しない簡単な仮定を用いて、自由面側の破壊状況を検討できる。 2)自由端側の破壊状況 水パィプ長さが70mm以上では自由端から引張応力に原因する破断面までの距離はLwの増加とともに増加する傾向を示したが、Lwが50mm、30mmの場合はその反対の傾向を示した。この結果からLwが70mm以上では水中衝撃波が平面的に岩石試料に入射していることが予想された。 3)動的引張強度の評価 弾性波の一次元応力伝播理論に基づいて実験結果の整理を試みた。この理論にはいくつかの仮定が含まれており、必ずしも実験がその仮定を満足しているとは限らない。実験結果から得られる情報は亀裂の成長過程を含んでいるために従来の動的引張強度の評価方法を簡単に適用できないことを指摘した。そのため、従来の動的引張強度の評価法に関する検討を種々の角度から来年度も検討する。
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Research Products
(1 results)