2001 Fiscal Year Annual Research Report
食用アスパラガスの雌雄性に関与する遺伝子の発現制御機構とその育種的利用
Project/Area Number |
13760003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
塩月 明 (菅野 明) 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教授 (10260449)
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Keywords | 雌雄異株 / アスパラガス属植物 / Asparagus officinalis / Asparagus virgatus / MADS BOX |
Research Abstract |
本研究の目的は、雌雄異株植物の食用アスパラガス(Asparagus officinalis)と両性花のアスパラガス属植物から、雄しべと雌しべの形成に関与するクラスBとクラスCに属する遺伝子をすべて単離し、その構造及び発現パターンを比較解析することにより、雌雄異株の食用アスパラガスの雌雄性に重要な働きを持つ遺伝子を特定し、その性分化機構を明らかにすることである。 本年度は、両性花のアスパラガス属植物(A.virgatus)におけるクラスB及びクラスCに属する遺伝子のcDNAクローンの単離を行った。まずA. virgatusの花芽からmRNAを単離し、逆転写酵素によりcDNAプールを作製した。クラスB・C遺伝子に保存されているMADSbox領域に特異的なプライマーを用いてRACE法を行い、数百のcDNAクローンを得た。これらのクローンについて、食用アスパラガスで単離されたクラスB・C遺伝子のプローブを用いてスクリーニングした結果、クラスBに属するPISTILLATA-like遺伝子及びクラスCに属するAGAMOUS-like遺伝子にポジティブなクローンが複数個得られたので、塩基配列を決定した結果、それぞれPISTILLATA-like遺伝子、AGAMOUS-like遺伝子であることが確認された。またクラスBに属するもう一つのAPETALA3-like遺伝子についてはすでにポジティブクローンが得られているが、現在塩基配列を決定している段階である。 また食用アスパラガスの花芽の各発達過程における組織を固定し、クラスB・C遺伝子に特異的なプローブを用いてin situハイブリダイゼーションを行い、詳細な遺伝子発現パターンを解析した結果、AGAMOUS-like遺伝子は雄しべと雌しべの原基で、またAPETALA3-like遺伝子は雄しべと内側の花被片の原基で発現していることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)