2001 Fiscal Year Annual Research Report
山岳地における登山者の屎尿の影響とその対策に関する研究
Project/Area Number |
13760015
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
愛甲 哲也 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (30261332)
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Keywords | 山岳地 / 登山者 / 屎尿 / 国立公園 |
Research Abstract |
今年度は、大雪山国立公園の南沼野営指定地、利尻礼文サロベツ国立公園利尻山の鴛泊コース、沓形コースの登山道・避難小屋周辺を対象にした踏み分け道と屎尿や紙の散乱程度の調査、両国立公園の登山者へのアンケート調査を行った。大雪山国立公園においては、南沼野営指定地で、利尻山については鴛泊コースの登山口である野営場においてアンケート調査を行った。また、関係者の聴き取り調査も行った。 その結果、携帯トイレが配布・回収されている利尻山においても登山道の脇や、避難小屋の周辺に屎尿や紙が散乱していた。登山道の脇で放置されやすい場所としては、休憩地点近辺、茂みの中、岩蔭等であった。また、使用後の携帯トイレも、山頂付近や、避難小屋の近辺、避難小屋脇に設置された携帯トイレ用テントブース近辺に、数個放置されていた。南沼野営指定地のまわりには、縦横に用を足すための踏み分け道が分布していたが、2年前に行った同様の調査時よりも踏み分け道の数や位置に大きな変化は認められなかった。両調査地点の水場で、パックテストによる飲み水の水質検査も行ったが、大腸菌等は検出されず、水質は良好であった。 アンケート調査では、野営地や避難小屋にトイレを新設してほしいとする要望が多かったのに加え、登山者自身による携帯トイレなどによる屎尿や紙の持ち帰りをするべきとの意見もみられた。携帯トイレについては、その持ち運びへの抵抗感や回収場所の必要性が指摘された。
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