2002 Fiscal Year Annual Research Report
里地自然の保全を意図したサシバの生息可能性地域の解析と土地利用計画への応用
Project/Area Number |
13760016
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
東 淳樹 岩手大学, 農学部・農林環境科学科, 助手 (10322968)
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Keywords | サシバ / 潜在生息地 / 50mDEM / 谷津 / 里地 / 土地利用 |
Research Abstract |
これまでに,千葉県北部において,サシバの生息が確認された谷津の特徴を把握するために,地形と植生に関する既存の数値地理情報を用い,谷津の地形および土地利用の特徴を表現する複数の指標を考案した.用いたデータは,国土地理院刊行の50mメッシュ標高データ(50mDEM: 50m-Digital Elevation Model)および,環境庁自然保護局刊行の自然環境情報GISに含まれる現存植生データである.現存植生データは,第3回から第5回の環境庁自然環境保全基礎調査を集成して作成されたポリゴンデータである.解析単位を統一するため,現存植生データと50mDEMとを同一の50mメッシュサイズに変換して解析に用いた.メッシュデータへの変換においては,各メッシュの中心付近に重なる植生をそのセルの植生として代入した.現存植生図は,樹林地(果樹園,苗圃以外の木本植生),草地(草本植生),畑地(畑地,果樹園,桑畑,茶畑),水田,放棄水田,市街地および造成地,緑の多い市街地,ゴルフ場に再分類した.このうち本研究では水田および樹林地を解析に用いた.解析結果から明らかになった繁殖期のサシバの生息環境は,(1)谷の横断方向に樹林地-水田-樹林地となる土地利用配列,(2)樹林地と水田の隣接長,(3)谷底低地の幅,(4)谷壁斜面の幅,の4点と関係がみられた.サシバの生息の有無を目的変数とした判別分析の結果,(1)谷の横断方向の土地利用配列により,7割以上のサシバの生息環境が推定可能であることが明らかとなった.以上の条件を用い,サシバの生息適地を広域的に推定した.それにより,サシバの潜在的生息地を図化することができた.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 松浦俊也, 横張真, 東淳樹: "数値地理情報を用いた谷津の景観構造の把握によるサシバ生息適地の広域的推定"ランドスケープ研究. 65(5). 543-546 (2002)
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[Publications] Matsuura, T., Yokohari, M., Azuma, A.: "Identification of Potential Habitats of Gray-Faced Buzzard in Yatsu Landscapes by Digital Elevation Models and Digitized Vegetation Data"Landscape and urban planning. (in press). (2003)
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[Publications] 東淳樹, 山崎宏, 森下英美子, 小板正俊, 遠藤孝一, 樋口広芳: "アンケート調査による繁殖期のサシバの生態と生息環境の把握"Strix. (発表予定).
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[Publications] 東 淳樹: "里山の環境学"武内和彦・鷲谷いづみ・恒川篤史編 東京大学出版. 257 (2001)