2001 Fiscal Year Annual Research Report
NADPの合成と分解に関わる細菌酵素の性状とその進化過程の解析
Project/Area Number |
13760068
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
河井 重幸 京都大学, 農学研究科, 助手 (00303909)
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Keywords | NAD / NADP / NADキナーゼ / ポリリン酸 / Micrococcus flavus / 大腸菌 / NADHキナーゼ / NADPピロフォスファターゼ |
Research Abstract |
NADとNADPは酸化還元反応に関与する補酵素であり、還元型NAD(NADH)は各種の基質を酸化するエネルギー獲得反応(異化)に関わるのに対して、還元型NADP(NADPH)は合成反応における還元反応(同化)に関わる。従って、NADP・NADPHの合成と分解機構を詳細に研究することにより、生体内の異化・同化制御に関する知見を得ることができる。そこで、本研究ではNADP・NADPHの合成と分解に関する知見を得ることを目的とした。 まず、NADPの生合成に関わるNADキナーゼに着目した。既に、Micrococcus flavusと結核菌由来ポリリン酸依存型NADキナーゼの精製と一次構造決定を完了していたので、本研究では、大腸菌、及び酵母由来ATP依存型NADキナーゼの精製と一次構造決定を行った。大腸菌NADキナーゼの酵素科学的諸性質を特に詳細に検討したところ、本酵素活性はNADH・NADPHによってアロステリックに阻害されること、本酵素はNADHリン酸化活性(NADHキナーゼ活性)を示さないこと、大腸菌の細胞抽出液中にNADHキナーゼ活性が検出されないことを明らかにした。即ち、大腸菌においては、NADH・NADPHがNAD生合成の制御分子として機能しており、NADH自身がリン酸化されてNADPHに変換されないことを明らかにした。一方、M.flavusの細胞抽出液中にはNADHキナーゼ活性が検出された。これは本活性の細菌における初めての検出例であった。更に、カラムクロマトグラフィー分析により、NADHキナーゼ活性はポリリン酸依存型NADキナーゼのみによって示されることを明らかにした。即ち、M.flavusにおいては大腸菌の場合と異なり、NADHはNADP生合成の制御分子でなく、NADPH生合成の基質として機能することを明らかにした。 次に、NADP分解に関する知見を得るため、大腸菌由来NADキナーゼを用いて、NADと放射性[^<32>P]-ATPから、放射性ラベルされた[2'-phospho-^<32>P]INADPを調製し、これをDowexカラムで単離・精製した。[2'-phospho-^<32>P]NADPと、大腸菌の細胞抽出液とを反応させ、反応産物を薄層クロマトグラフィーで分析したとこる、大腸菌におけるNADPの分解には、NADPピロフォスファターゼとNADPフォスファターゼの関与が示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] S.Kawai: "Establishment of a mass-production system for NADP using bacterial inorganic polyphosphate/ATP-NAD kinase"J. Biosci. Bioeng.. 92・5. 447-452 (2001)
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[Publications] S.Mori: "Crystallization and preliminary X-ray analysis of NAD kinase from Mycobacterium tuberculosis H37Rv"Acta Cryst. D. 57. 1319-1320 (2001)
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[Publications] S.Kawai: "Molecular characterization of Escherichia coli NAD kinase"Eur. J. Biochem.. 268・15. 4359-4365 (2001)
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[Publications] S.Kawai: "Molecular cloning and identification of UTR1 of a yeast Saccharomyces cerevisiae as a gene encoding an NAD kinase"FEMS Microbiol. Lett.. 200. 181-184 (2001)