2001 Fiscal Year Annual Research Report
赤色光により異なる制御を受けるジベレリン生合成酵素遺伝子のプロモーター領域の解析〜光発芽レタス種子をモデルとして〜
Project/Area Number |
13760081
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
豊増 知伸 山形大学, 農学部, 助教授 (60272085)
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Keywords | 光発芽 / レタス種子 / ジベレリン生合成 / プロモーター / 遺伝子発現制御 |
Research Abstract |
植物ホルモンの一つであるジベレリン(GA)はレタス種子の光発芽誘導で重要な役割を担っていると考えられている。すなわち,レタス種子においては赤色光による発芽誘導時に活性型GAであるGA_1の内生量が増加することが示されており,本研究ではその内生量の調節をGA生合成酵素遺伝子のプロモーター制御機構解明の観点から追究することを目的とし,それらプロモーター領域のDNAクローニングを試みることにした。GA3β-水酸化酵素(Ls3h1,Ls3h2),GA20-酸化酵素(Ls20ox1,Ls20ox2)をコードする遺伝子についてそれぞれプロモータークローニングを試みたが,Ls20ox2遺伝子のプロモーターについてinverse PCR法により単離することに成功した。この遺伝子は赤色光処理により発現量が減少することが示されているものである。単離した約3kbpの断片は,両端に制限酵素Hin dIIIサイトを有し,そこには,initiator,TATAbox,GCbox,CAATboxなどのコンセンサス配列がみられた。以前,我々がクローニングした当該遺伝子のcDNAの5'末端は,今回のinitiatorとほぼ一致し,ここからmRNAの合成(転写)がはじまるものと考えられた。それ以外のコンセンサス配列としては,GAREとGA-myb呼ばれるGA反応性シス配列がみられたが,解釈が困難であり,機能特定には至らなかった。その他の光反応性シス配列などについても検索したが,特筆すべきものはみられなかった。今後は,その他の遺伝子のプロモーターを単離するとともに,レポーター遺伝子などを用いてそれらプロモーターの機能解析を行う予定である。
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