2001 Fiscal Year Annual Research Report
DMSOセンサーの開発とその食品分析・環境分析への応用
Project/Area Number |
13760083
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安保 充 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (00272443)
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Keywords | DMSO / 食品分析 / センサー |
Research Abstract |
本研究では、食品中に悪臭物質の前駆体として存在するDMSOを、簡便迅速に検出するDMSOセンサーの開発を目的として研究を行った。具体的な実験結果を以下に述べる。 まず、センサーにとって最も重要な、DMSO識別の素子として、光合成細菌由来のDMSO還元酵素を用いた。この酵素は、従来法に従って単離精製が完了した。さらに、BSA-グルタルアルデヒド固定化により、グラッシーカーボン(GC)電極に固定化酵素膜を作成した。この固定化酵素電極を用い、メディエーター、基質(DMSO)存在下、サイクリックボルタモグラム(CV)を測定し、目的とする電子伝達が行われている事を確認した。次に、この電極をアンペロメトリックな測定に利用したところ、0.1〜6mMの濃度範囲で応答を示し、特に4mM以下の範囲においては、DMSO濃度と電流増加量が比例関係にあり、センサーとして十分利用可能であることを示すことができた。現在、その検出感度を上昇させるため、測定温度、測定pH、メディエーター濃度など、高感度測定のための至適条件の検討を行っている。 一方、メディエーターの固定化に向けて、メディエーターの合成研究を行った。まず、ビピリジル骨格にメチル基を導入した後、アミノプロピル基、アミノヘキシル基の導入を検討した。アミノプロピル基はモノメチル置換体への導入に成功し、再結晶操作による精製の後、NMRにより構造を確認した。アミノヘキシル基は導入されたものの、その精製法を現在検討中である。 以上、13年度の研究によりDMSOセンサーの骨格となる部分を構築でき、14年度以降は、実際のサンプルへの応用を含めた検討を行っていく予定である。
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Research Products
(1 results)