2001 Fiscal Year Annual Research Report
高等植物におけるペプチド性細胞増殖因子受容体の解析
Project/Area Number |
13760087
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松林 嘉克 名古屋大学, 生命農学研究科, 助手 (00313974)
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Keywords | 増殖因子 / 受容体 / 植物ホルモン |
Research Abstract |
多細胞生物においては,個体の恒常性を維持するために個々の細胞間のコミュニケーションが重要な役割を担っている.申請者らが発見したPSKも,オートクリン型の増殖因子として,細胞培養時だけでなく植物体内においても一定量の発現が検出されており,細胞増殖の制御に関与していることが明らかとなりつつある.本研究では,まず,PSK受容体を多量に発現していることが明らかとなっているニンジン培善細胞株を用いて,受容体の可溶化条件を検討した結果,一般的な界面活性剤であるTX-100により効率よく可溶化されることが明らかとなった.次に,効率よく受容体分子を精製するためにアフィニテイーカラムの調製を試みた結果,I[Lys5]PSKの側鎖アミノ基にスペーサーを介してセファロ一スに固定化したカラムが,受容体に対する高い親和性を示すことか明らかとなった.このカラムを用いて4.8gのニンジン膜画分から受容体を精製した結果,SDS-PAGE上で120および150kDの位置にPSK特異的な結合活性を示すタンパク質が得られた.得られたタンパク質の内部アミノ酸配列の解析結果に基づき設計したプライマーを用いて,PCR法による受容体cDNAのクローニングを行なった結果.これらのタンパク質は受容体型キナーゼの一種であることか明らかとなった.現在,これらのタンパク質をニンジン細胞で過剰発現させ,得られた細胞膜画分のPSK結合活性の変化を検討している.
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