2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13760088
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
古本 敏夫 香川大学, 農学部, 助手 (60322723)
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Keywords | ゴマ / 毛状根 / chlorosesamome / hydroxysesamone / 2, 3-epoxysesamone / キノン / ハロゲン |
Research Abstract |
1.ゴマ毛状根クローンの樹立 ゴマ(Sesamum indicum L.)幼植物に植物病原土壌細菌Agrobacterium rhizogenes ATCC15834を接種し、感染部位に毛状根を誘発した。誘発した毛状根を切り出し、抗生物質を添加した植物ホルモン無添加1/2MS固体培地で培養、除菌した。毛状根クローン選抜法により、7株の植物ホルモン非要求性毛状根クローンを得た。 得られた7株の毛状根の代謝産物を溶媒抽出した後、薄層クロマトグラフィーにより調べたところ、7株のうち3株においてキノン系色素を生産していることが示唆された。そこで、色素生産株の1株をガンボルグB5液体培地を用いて少量培養し、代謝産物を調べたところ、塩素含有ナフトキノン系色素chlorosesamoneやその他のキノン系色素を生産することが確認された。現在、大量培養によりこれらキノン系色素の単離・同定を進めている。また、今回の毛状根誘発において、肉眼による目視観察法で選抜できるようなchlorosesamone(赤色色素)高生産株が得られなかったので、各種培養条件および培地組成についても検討中である。 2.ゴマ植物根からのキノン系色素の単離 ゴマの植物根から新たに2種のナフトキノン系色素(hydroxysesamoneおよび2,3-epoxysesamone)を単離、同定した。これら化合物はchlorosesamoneと同じ炭素骨格を有しており、生合成関連化合物と考えられる。さらに、3種の色素を単離したが、機器分析よりこれらはナフトキノン系化合物ではなくアントラキノン系化合物であり、そのうちの1つはchlorosesamoneと同様に分子内に塩素原子を有する化合物であることが示唆された。現在、これら3種のアントラキノン系色素の構造解析およびこれらキノン系色素の毛状根での生産を検討中である。
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Research Products
(1 results)