2001 Fiscal Year Annual Research Report
新規カプサイシン受容体様分子の探索および香辛料由来のリガンドの同定
Project/Area Number |
13760097
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松本 一朗 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (00291328)
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Keywords | oral cavity / gustatory neuron / somatosensory neuron / neurotrophin receptor / thermosensitive cation channel |
Research Abstract |
口腔咽頭部では、食物摂取により生じる様々な刺激の受容・伝達が行われている。その様式には、上皮層に存在する味蕾組織の味細胞で受容され、ついでシナプスする神経へと伝達される場合、上皮層に投射している求心性感覚神経で直接受容・伝達される場合の二通りが知られている。辛味成分のような味覚器で感知されない刺激性の化学物質は、口腔内に終末をのばす体性感覚神経によって直接受容される後者の様式をとる。近年、トウガラシの辛味成分カプサイシンや熱によって活性化されるイオンチャネルVR1(vanilloid receptor subtype 1)、およびVR1の類似体であり、より高温の熱により活性化されるVRL-1(vanilloid-receptor-like protein 1)が同定された。口腔内における刺激性物質および温度感受機構を解析することを目的として、申請者は、これらの分子およびその類縁分子をコードする遺伝子が口腔内に投射する体性感覚神経に発現しているかを解析した。これらの分子をもとに縮重プライマーを作製し、RT-PCRを行った結果、三叉神経節および舌咽神経節において、VR1およびVRL-1が発現していることを明らかにした。また、三叉神経節からはVR1およびVRL-1と相同性の高い新規の分子(VRH)をコードするcDNA断片を得た。in situハイブリダイゼーションによりVR1およびVRL-1が発現している細胞の特性を解析したところ、ともに三叉神経節および舌咽神経節中の一部の細胞に発現していることを明らかにした。また、これらの遺伝子は共発現していないこと、VR1発現細胞およびVRL-1発現細胞の特性は、神経節間で非常によく類似していることを明らかにした。さらに、これらに対する特異的抗体を作製し、細胞内局在および末梢部への輸送の実体を明らかにし、口腔内における熱受容機構の一部を明らかにすることが出来た。現在までのところ、in situハイブリダイゼーションによるVRHの発現様式は解析できていない。今後、プローブ領域や反応条件を検討し、VRHの発現様式を解析し、培養細胞を用いてVRH活性化機構を解析する予定である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Matsumoto I., Emori Y., Ninomiya Y., Abe K.: "A comparative study of three cranial sensory ganglia projecting into the oral cavity: in situ hybridization analyses of neurotrophin receptors and thermosensitive cation channels"Mol. Brain Res.. 93. 105-112 (2001)