2001 Fiscal Year Annual Research Report
親水性生理活性物質のW/O/Wエマルションによる経腸吸収促進効果の検討
Project/Area Number |
13760103
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
島 元啓 京都大学, 農学研究科, 助手 (60293916)
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Keywords | 機能性食品 / 生理活性物質 / W / O / W型エマルション / 過食性界面活性剤 / 中鎖脂肪酸トリグリセリド / 消化モデル系 / Caco-2モデル系 / 吸収促進効果 |
Research Abstract |
平成13年度は、W/O/W型エマルションの調製条件の影響を定量的に評価するために種々の検討を行った。 食品としての用途を重視し、原料となる界面活性剤・脂質等は食品で利用可能な物質を用いた。具体的には、脂質として鎖長8の脂肪酸からなる中鎖脂肪酸トリグリセリドを用い、界面活性剤には縮合リシノレイン酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルを用いた。 調製方法には、W/O/W型エマルションの重要な性質である粒径をコントロールするために、二段階乳化法に加えて膜乳化を用いた。膜乳化を行うに際しては、本研究で使用する少量のエマルション(10mL以下)を調製するために独自の膜乳化装置を作成して用いた。この装置により、30mL以下のW/0/W型エマルションを膜ろ過を用いて微細化することが可能になった。 上記の条件で検討を行った結果、親水性指標物質1,3,6,8-Pyrenetetrasulfonic acid tetrasodium saltの保持率が94%以上で、粒径が3-0.7μmの微細で分散の少ないW/O/W型エマルションを調製することが可能になった。調製されたW/O/W型エマルションは一週間の間、4℃で静置して安定であった。また、種々のポリグリセリン脂肪酸エステル及び酵素分解レシチンについて、調製されるW/O/W型エマルションの保持率・粒径に与える濃度の影響を検討し、親水性が高いほど安定なエマルションが得られることを明らかにした。 また、本研究の結果、使用している条件下ではW/O/W型エマルションの外水相が内部に取り込まれることが明らかになった。そこでその条件を勘案しながら、外水相で使用されているデカグリセリンラウリン酸エステルの所在についてTLC-FIDを用いて検出し、界面活性剤が外水相・油相・界面のどの部位にどのぐらいの量比で分布するかを定量的に明らかにした。上記の取込が膜乳化により消滅することが顕微鏡観察より示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 島 元啓, 田中美世乃, 藤井崇夫, 木村幸敬, 安達修二, 松野隆一: "Release of a hycirophiic compound loaded in an inner aqueous phase of W/O/W type emulsion in a model digestive system"Abstract of YABEC'2001 Symposium, Biochemical Engineering and Biotechnology in the 21st Century. 98 (2001)
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[Publications] 田中美世乃, 島 元啓, 木村幸敬, 安達修二, 松野隆一: "腸管内消化モデル系でのW/0/Wエマルションの油相分解とそれによる内水相成分の放出"日本食品工学会第2回(2001年度)年次大会講演要旨集. 46 (2001)
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[Publications] 藤井崇夫, 大森敏伸, 島 元啓, 木村幸敬, 安達修二, 松野隆一: "膜乳化を用いた粒径の小さな可食性W/O/W型エマルションの調製及びその利用"化学工学会第34回秋季大会研究発表講演要旨集. L319 (2001)