2001 Fiscal Year Annual Research Report
間隙水圧形の測定から得られる粘性底層厚さを用いた土石流の相似則の検討
Project/Area Number |
13760112
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀田 紀文 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (00323478)
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Keywords | 土石流 / 間隙水圧 / 粘性底層 / 粗度 / 相似則 |
Research Abstract |
本研究は,土石流における粘性底層厚さと流れの状態(層流・乱流)の関係を相似則として検討することを目的としている.乱れた流れにおいて粘性底層厚さに対する底面粗度の影響が大きいことから相似則の検討は底面粗度を定量的に評価した上で行われなければならない. 本年度はまず,土石流においてその構成則が粒子衝突のモデル化によって導かれているために,層流状態でも底面粗度の影響を受けることを明らかにした.次に粗度の影響を定量的に評価するための予備実験として,底面粗度を変化させた土石流の水路実験を行い,層流状態において ・相対水深(水深/粗度)が10程度以下の土石流で粗度面での粒子衝突の影響が顕著である ・濃度が高い(0.35〜)流れにおいて粗度の影響が大きい 点を明らかにした. 以上の結果より固定床上の土石流において,特に底面近傍で流速分布形が現在の構成則から導かれている3/2乗則より外れることが示された.土石流の間隙水圧はレイノルズ応力として混合距離(粒子間隙スケール)と歪み速度(速度勾配)の関数として表される.したがって,間隙水圧分布形も層流状態について底面粗度の影響を受けないとの仮定から得られた従来の直線分布から外れることとなる.直線分布からのずれは流速分布形を明らかにすることによって記述出来るから,今後水路実験から得られる間隙水圧分布形より粘性底層厚さを導くにあたって,同時に高速ビデオカメラなどを併用して流速分布形の測定も行う必要があることが明らかになった.
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