2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13760124
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Nagaoka National College of Technology |
Principal Investigator |
柴田 勝 長岡工業高等専門学校, 物質工学科, 助手 (30300560)
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Keywords | 樹木 / キサントフィル / 環境適応 / 環境ストレス / PAM / 葉緑体 / α-カロチン / β-カロチン |
Research Abstract |
(1)α-カロチンの植物種間差を明らかにするために木本植物80種、草本植物50種を対象に葉片の色素組成を調べた結果、全カロチンに占めるα-カロチンを5%以上含む植物は、木本植物で85%、草本植物で8%であった。このことから、α-カロチンは樹木に特異的に存在しているものであることが分かった。 (2)葉緑体のチラコイド膜に存在する色素-タンパク質複合体にα-カロチンがどのように分布しているかを調べるために、Mild SDS-PAGEによりLHC, RCなどの5つのタンパク質複合体に分離し各複合体に含まれている色素の分析を行なった結果、複合体に関係なくβ-カロチン部位にα-カロチンが置換していることが明確となった。 (3)α-カロチンの生理的意義を解明するためにPAM蛍光測定を行なった結果、non-photochemical quenchingとα-カロチン比とに相関関係があり、植物葉表面で受けた光のエネルギーの利用効率を低下させていることを示した。これは、夏季の強光阻害から植物を保護しているのではないかと考えられる。 樹木に特異的な阻害回避機構により季節的なストレス回避を行なっており、今後これらの現象をタンパク質・遺伝子レベルで解明を行なう。
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