2001 Fiscal Year Annual Research Report
高活性リグニン分解菌のリグニン分解に関与する酵素系の解明
Project/Area Number |
13760129
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
平井 浩文 静岡大学, 農学部, 助手 (70322138)
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Keywords | 白色腐朽菌 / リグニンモデル化合物 / ペルオキシダーゼ / Phanerochaete sordida YK-624株 / リグニンペルオキシダーゼ / 分解 |
Research Abstract |
高活性リグニン分解菌Phanerochaete sordida YK-624株はMn欠損培地において効率的に非フェノール性β-0-4型リグニンモデル化合物の分解を行うことが明らかとなっている。そこで本研究では本培養系より非フェノール性β-0-4型リグニンモデル化合物の分解に関与する酵素の単離・精製を試みた。Mn欠損培地より得られた粗酵素液をMono Qカラムにて分析したところ、ペルオキシダーゼ活性を有する画分に非フェノール性β-0-4型リグニンモデル化合物分解活性が存在した。そこでペルオキシダーゼに着目して単離・精製を行った。Mono Qカラム及びSuperdex 75カラムにより目的酵素は精製され、本酵素は分子量約50kDaのペルオキシダーゼであることが判明した。本酵素(YK-PO1)とP. chrysosporium由来のリグニンペルオキシダーゼ(Pc-LiP)による非フェノール性β-0-4型リグニンモデル化合物の分解を行ったところ、分解生成物に違いは見られなかったものの、分解活性に違いが見られ、YK-PO1はPc-LiPより非フェノール性β-0-4型リグニンモデル化合物に対して親和性の高いことが判明した。さらにP. sordida YK-624株をMn欠損培地において振とう培養したところ、YK-PO1とは異なるアイソザイム(YK-PO2)が得られた。本アイソザイムはベラトリルアルコール酸化活性及び分子量はPc-LiPと類似していたが、非フェノール性β-0-4型リグニンモデル化合物分解活性はYK-PO2の方がPc-LiPより高かった。つまり、P. sordida YK-624株より得られた2つのペルオキシダーゼアイソザイムはPc-LiPより非フェノール性β-0-4型リグニンモデル化合物分解活性が高いことから、新しいタイプのペルオキシダーゼであることが予想された。現在これらペルオキシダーゼアイソザイムの諸特性についてさらに検討中である。
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