2002 Fiscal Year Annual Research Report
形質転換植物を用いた二次壁ヘミセルロースの機能解析
Project/Area Number |
13760133
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
粟野 達也 京都大学, 大学院・農学研究科, 助手 (40324660)
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Keywords | キシラン / モノクローナル抗体 / 免疫標識法 / ELISA法 |
Research Abstract |
我々の研究グループでは主要な樹木ヘミセルロースのうち、広葉樹キシラン、広葉樹グルコマンナン、針葉樹グルコマンナンについてはすでにポリクローナル抗体を調製しており、本研究では針葉樹キシラン(アラピノグルクロノキシラン)を特異的に認識するモノクローナル抗体の調製を試みた。 キシランを0.025N硫酸で部分加水分解した後、ゲルろ過およびイオン交換クロマトグラフィーによってキシロペンタオースを得た。これを還元アミノ化法によりKLH(ヘモシアニン)と結合させ、抗原としてマウスに感作した。抗血清はドットブロット法により針葉樹キシランと反応することを確認した。高い抗体価を示したマウスから脾細胞を調製し、マウスミエローマ細胞と細胞融合してハイブリドーマを得た。ELISA法により抗体反応陽性のハイブリドーマをスクリーニングした。限界希釈法によりクローニングをい、モノクローナル抗体を産生する細胞株を135クローン得た。ハイブリドーマの培養上清をヒノキ分化中木部の組織切片に反応させ、1nm金コロイド標識二次抗体によって標識したのち銀増感を行い、光学顕微鏡および電子顕微鏡にて観察を行った。同時に、ELISA法により競合阻害実験をおこない、エピトープの解析を行った。その結果、抗体は針葉樹および広葉樹のキシランを認識することがわかった.また、クローン間でキシロオリゴ糖に対する反応性に違いが見られた。クローンによっては、ポリクローナル抗体とは異なる免疫局在を示すものがあることがわかった。また、クローン間で違う局在を見せることもあり、これはそれぞれのモノクローナル抗体のエピトープが異なっているためであると考えられる.
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