2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13760141
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中山 耕至 京都大学, 農学研究科, 助手 (50324661)
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Keywords | スズキ / 集団構造 / ミトコンドリアDNA |
Research Abstract |
沿岸魚スズキLateolabrax japonicusの遺伝的集団構造を明らかにする目的で,日本各地(宮城県,大阪府,鳥取県,佐賀県,福岡県,宮崎県)および韓国においてスズキ稚魚または未成魚を採集した.ミトコンドリアDNA調節領域前半部分をPCR法によって増幅し,'直接塩基配列決定法によって各個体について約375塩基対の相同な塩基配列を決定した.外群として同属のヒラスズキL. latusおよびタイリクスズキL. sp.を加え,近隣結合法により樹形図を作成したところ,福岡県(有明海側)のサンプルは半数以上がタイリクスズキのものに近い塩基配列を示し,有明海のスズキがタイリクスズキに影響された遺伝的特徴を持つことが確認された.有明海以外のサンプルについては,樹形図上で各採集地点のサンプルが個別にクラスターを形成することはなかったが,大きく3つのクラスター(ハプロタイプグループA, B, C)に分けられた.各採集地点についてハプロタイプグループA, B, Cの比率を調べたところ,宮城県のサンプルが他の地域のものと異なる傾向を示した.また,集団の小集団への分化の度合いを表す指標である固定指数Fstを各採集地点間で総当たりに計算したところ,宮城県と他の採集地点との間でFstが大きい傾向があり,一部は無作為化検定によって有意に0からずれていることが示された.これらの結果より,有明海および宮城県には遺伝的に隔離された局所集団が存在する可能性が示された.
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Research Products
(1 results)