2001 Fiscal Year Annual Research Report
海洋ラン藻の生産するポリケチド・ペプチド複合化合物
Project/Area Number |
13760153
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
沖野 龍文 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (30280910)
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Keywords | ラン藻 / ペプチド / ポリケチド / 酵素阻害 / NMR / 構造決定 / ナトリウムチャンネル |
Research Abstract |
海洋ラン藻Lyngbya majusculaより得られたポリケチド・ペプチド複合化合物kalkitoxinについて、天然物およびその立体異性体数種の構造をもつ化合物が合成されたので、供与を受け、その生物活性を調べた。本研究では、特にkalkitoxinのもつ多彩な生物活性のうち電位依存性ナトリウムチャンネルに対する阻害活性に着目した。実験方法は、マウス神経芽細胞neuro-2aを用いて、ouabain及びveratridine存在下の24時間後の細胞毒性によりナトリウムチャンネル阻害活性を評価した。その結果、天然物の構造が最も高い活性を示し、その立体異性体は、5カ所の立体のうち天然物と異なる立体を有する位置が増えるにつれて、活性が減少した。鏡像異性体が最も弱い活性を示した。しかし、残念ながら32種の異性体のうち、7種の異性体のみ合成されているため、どの立体が最も重要であるかの判断はすることができなかった。 ラン藻Microcystis aeruginosaのペプチド類の探索を行った。アミノペプチダーゼM阻害活性を指標に精製を行ったところ、既知化合物に加え、数種の未知化合物が得られた。そのうちの1つの化合物については、主にTOF-MSによる分析の結果、分子量1726の新規microviridin類であると推定された。この化合物はアミノペプチダーゼMに対し、約3μg/mLで阻害活性を示したが、他の5種のプロテアーゼに対し阻害活性をほとんど示さなかった。この酵素特異性は非常に興味深い結果である。
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