2001 Fiscal Year Annual Research Report
塩ストレスを考慮した植物の吸水モデルの信頼性検討とそのパラメータ決定法の確立
Project/Area Number |
13760167
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
藤巻 晴行 筑波大学, 農林工学系, 講師 (90323253)
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Keywords | 塩ストレス / 吸水モデル / 耐塩性 / 塩類集積 / 潅漑 |
Research Abstract |
本年度は十分な労働力を確保できず,当初予定していた圃場実験は開始できなかった。そのため,予備実験や実験結果の解析プログラムの開発を行った。塩分の測定には当初,4極法による土中電気伝導度センサーを予定していたが,接触不良の影響による誤差が大きいとの研究報告を受け,水分測定に用いられるTDRプローブ(Campbell CS605)を塩分測定にも用いることにした。TDRプローブを18本購入し,6器の小型ライシメータの深さ5,15,30cmに挿入する加工を施した。さらに,厚さ1cmの塩化ビニールの外側からプローブを挿入することから,Toppの式のパラメータ値は適用できないため,誘電率と水分の関係の校正式を,鳥取砂丘砂を供試土壌として各プローブについて求めた。また,土中電気伝導度についても校正を行った。 小型ライシメータは,電子天秤の容量および作業効率を考えると下端深さが40cmしか確保できなかったため,下端にポーラス管を4本設置し,そこに100cm程度の負圧を与えることにより,排水を促進することとした。室内実験により,排水が迅速に行われることを確認した。 実験結果の解析プログラムについては,既存の吸水モデルを組み込んだ土壌中の水と溶質移動の数値解析ソフトウェアWASH_1Dにより仮想の実験データを作成し,(仮想)実験データと吸水モデルによる推定値が最もよく一致するように吸水モデル中のパラメータを逆解析するプログラムを作成した。次年度,実際の実験データの逆解析を行い,現実のパラメータの測定を行う予定である。
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