2001 Fiscal Year Annual Research Report
予測微生物学的手法によるHACCP管理のための動的菌体数予測法の確立
Project/Area Number |
13760182
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
田中 史彦 鹿児島大学, 農学部, 助手 (30284912)
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Keywords | HACCP / 予測微生物学 / 熱・物質移動 / 殺菌 / シミュレーション / 階層型ニューラルネットワーク / 食品 / エキスパートシステム |
Research Abstract |
本研究では,"食品を汚染する微生物が,食品加工工程や流通工程のように変動する環境条件下でどのように成長し,あるいは,死滅するか"を予測するソフトウェアの開発を最終目的とする.その第一段階として,温度変動場における殺菌予測を行った.微生物育菌・殺菌ソフトにはUSDAによるPMPや,MAFFによるFood Micro Modelなどのソフトが存在するが,熱移動を同時に計算し,温度変動下における菌体の成育・死滅を予測するエキスパートシステムではない.食品の加熱工程における殺菌を解析するためには,ふたつの面からのアプローチとその組み合わせが必要となる.すなわち,1)食品がどのように加熱されるのか?という熱移動機構的側面と,2)微生物は熱に対してどのように死滅していくのか?という予測微生物学的側面からのアプローチである.食品の衛生・品質管理は両者の組み合わせによってはじめて達成されるものであり,両者を組み合わせたエキスパートシステムの開発が急がれている. 本年度は,熱移動モデル解析と予測微生物学的手法による殺菌モデル解析から加熱工程(温度変動場)における熱殺菌予測を行った.本研究は,つぎの2つから構成される.(1)熱・物質移動モデルおよび殺菌モデルを用いた数値シミュレーションによる死滅曲線予測,(2)シミュレーションから得た結果を基礎とする階層型ニューラルネットワークによる殺菌時間の予測である.(1)では,様々な加熱条件における微生物の死滅数曲線を予測するため数値計算を行い,加熱工程における殺菌時間の予測を行った.(2)では,階層型ニューラルネットワークモデルを用いて,(1)で決定した殺菌時間と加熱条件を関係づけた.すなわち,数値計算を介することなく加熱条件を入力するだけで殺菌時間の迅速な決定を行った. 現在のところ,指標菌は2種類に限られている.データーベースの構築により対応菌体種類を増やして行く予定である.
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Research Products
(1 results)