2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13760207
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山田 宜永 京都大学, 農学研究科, 助教授 (40253207)
|
Keywords | 脂肪 / 脂肪細胞 / レプチン / 体内分布 / 筋肉内脂肪 / 脂肪細胞分化 / 分化マーカー |
Research Abstract |
本年度は実験材料の準備を行った。まず最初に、ウシ脂肪組織および筋肉組織をコラゲナーゼ処理することで細胞を遊離した後、遠心分離により浮遊してくる細胞を分離した。その分離細胞およびそれが由来する組織よりRNAを単離し、脂肪細胞分化マーカーであるレプチンの発現レベルをcompetitive RT-PCR法により解析したところ、脂肪および筋肉組織に比べその組織から分離した細胞において高い発現レベルがみられたことから、この分離細胞は脂肪細胞とみなされると考えられた。このような検討は脂肪組織としては、皮下および腎周囲脂肪において、また筋肉内脂肪組織としては、尾根部および縦隔膜筋肉を用いて行われた。こうしてこの方法により分離された細胞は各体内部位の脂肪細胞特性の解析に有用な実験ツールになると期待された。次に、上記の方法で脂肪細胞を単離し、その細胞を天井培養することにより、脱分化を引き起こした、形態学的には繊維芽様の細胞が得られた。細胞質内の脂肪滴は完全に消失していた。また、生理学的解析として、脂肪細胞分化マーカーであるレプチンの発現レベルをccompetitive RT-PCR法により調べた結果、脂肪細胞に比べて顕著に発現量が減少していた。こうして、天井培養により前駆脂肪細胞株が樹立されたと考え、この細胞をインスリン、デキサメタゾン、イソブチルメチルキサンチン添加分化培地にて培養し分化誘導を行ったところ、オイルレッド染色陽性の細胞が検出されるようになり、この細胞は脂肪を蓄積するという脂肪細胞への分化能力をもつことが示された。また、細胞質内に脂肪滴を蓄積する形態学的変化に伴い、脂肪細胞分化マーカーであるレプチンの発現レベルも増加した。皮下、腎周囲および筋肉内脂肪細胞に由来するいずれの前駆脂肪細胞についても脂肪蓄積の程度および分化マーカーの発現状況より判断される脂肪細胞分化能力は同じ傾向を示すことが明らかにされた。こうしてこの前駆脂肪細胞株を分化させた細胞も脂肪細胞の各体内部位間比較に有効なツールとなると考えられた。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] Tanomura, H.: "Detection of a quantitative trait locus for intramuscular fat accumulation using the OLETF rat"J. Vet. Med. Sci.. (in press).
-
[Publications] Umezu, Y.: "Detection of rat model useful for genetic analysis of intramuscular fat accumulation"J. Anim. Genet.. 29. 3-10 (2001)
-
[Publications] Yamada, T.: "Identification of epistatic interactions involved in non-insulin-dependent diabetes mellitus in the Otsuka Long-Evans Tokushima Fatty rat"Exp. Anim.. 50. 115-123 (2001)
-
[Publications] Minami, T.: "Role of Atp7b gene in spontaneous and N-diethylnitrosamine-induced carcinogenesis in a new congenic strain, WKAH. C-Atp7b rats"Jpn. J. Cancer Res.. 92. 841-847 (2001)
-
[Publications] Taniguchi, Y.: "Analysis of expressed sequence tags from a cDNA library of somatic nuclear transfer-derived cloned bovine whole fetus"Anim. Genet.. 32. 1-6 (2001)
-
[Publications] Minoshima, Y.: "Molecular cloning, expression analysis, promoter characterization, and chromosomal localization of the bovine PREF1 gene"Anim. Genet.. 32. 333-339 (2001)
-
[Publications] 動物遺伝育種シンポジウム組織委員会(編集): "動物遺伝育種学事典"株式会社 朝倉書店. 636 (2001)