2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13760213
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
藤平 篤志 獨協医科大学, 医学部, 助手 (70307685)
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Keywords | PACAP / RPL / ドパミン / チロシン水酸化酵素 / PACAP6-38 |
Research Abstract |
本年度はPACAP38そのものをラットの側脳室に投与した際のPRL分泌およびドパミン産生ニューロンの指標としてチロシン水酸化酵素(TH)活性について検討を行った。また、PACAPはVIPと受容体を共有しているが、type I受容体がPACAP特異的といわれており、type I受容体のみを刺激するmaxadilanも用いて同様の検討を行った。実験動物としては血中PRL濃度の異なる雄ラットおよび泌乳ラットを、泌乳ラットについては吸乳刺激を負荷した群と負荷しない群を用いた。結果:PACAP38を側脳室に投与すると、雄ラットではPRL分泌が著しく抑制されTH活性は上昇したが、吸乳刺激を与えない泌乳ラットではPRL分泌、TH活性ともにPACAP投与による影響は認められなかった。吸乳刺激を負荷した泌乳ラットにPACAPを投与した場合は吸乳刺激に反応したPRL分泌がPACAPにより抑制されTH活性は上昇したが、その上昇の程度は雄ラットで認められた効果よりも低かった。Maxadilanを雄ラットの側脳室に投与すると、PACAPを投与した場合と同様の効果が認められた。また、PACAP6-38を雄ラットに投与し、急性効果を検討したが、PRL分泌、TH活性ともに効果は認められなかった。結論:PACAPの側脳室投与は主にドパミン産生ニューロンを活性化することによりPRL分泌を抑制するが、動物の生理学的条件によりその作用は異なることが明らかとなった。また、maxadilanを用いた研究からこの作用は主に、type I受容体を介するものであることが確認された。昨年まで行ってきたPACAP6-38の投与実験と逆の結果となったが、これは薬物投与直後に行ったアゴニスト投与実験と5時間後に行ったアンタゴニスト投与実験の実験モデルの相違に起因するものと考えられる。また、アンタゴニストを投与直後のPRL分泌には影響が認められないことから、アゴニスト投与実験で認められた効果は薬理学的作用である可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Ohta R, Shirota M, Tohei A, Taya K: "Material behavior, milk ejection and plasma hormones in Hatano high-and low-avoidance rats"Hormones & Behaviors. 42. 116-125 (2002)
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[Publications] 藤平篤志, 篠田元快: "動物実験と動物愛護"遺伝. 56. 88-92 (2002)