2001 Fiscal Year Annual Research Report
新たな食中毒細菌Arcobacter属菌の簡易同定法の開発とその生態
Project/Area Number |
13760226
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
壁谷 英則 日本大学, 生物資源科学部, 助手 (10318389)
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Keywords | Arcobacter / PCR / 食中毒 |
Research Abstract |
本研究は、近年欧米諸国において新しい食中毒起因細菌として注目されているArcobacter属菌の我が国における分布状況を疫学的に明らかにすることを目的としている。本研究は以下の4つの手順により実施される。(1)one-stepPCR法による簡易Arcobacter属菌同定法の確立、(2)日本の家畜、および食肉におけるArcobacter属菌感染状況の検討、(3)日本の食中毒事例からの本菌分離の検討、(4)食肉処理工程における本菌による汚染の可能性の検討。本年度までに得られた主な成績は以下の通りである。1)ヒトおよび家畜において病原性を有するArcobacter属菌(A. butzleri, A. cryaerophilus 1A, 1B, A. skirrowii)を同定する種特異的PCR法を確立した(Kabeya et al., 投稿中)。2)日本の家畜、および市販食肉(それぞれ牛、豚、鶏)におけるArcobacter属菌の汚染状況を検討した。本菌が日本の家畜の糞便中から高率(3.6〜14.5%)に検出され、とくに鶏において広く分布することを明らかにした(Kabeya et al., 投稿準備中)。さらに、日本の市販食肉における本菌の汚染状況について併せて検討したところ、高率(2.2〜23.0%)に検出され、やはり、鶏肉において特に高い値を示した。分離されたArcobacter属菌については、前述1)のPCR法により同定し、A.butzleriが日本では多く分布することが明らかとなった。さらに分離菌の各種抗生物質に対する感受性を明らかにした(Kabeya et al., 投稿準備中)。3)日本の食中毒事例からの本菌分離に関しては、数例試みているものの、現在までのところ本菌は分離されていない。
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