2002 Fiscal Year Annual Research Report
代謝工学的手法を用いた高性能バイオポリエステルの創製
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13760232
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
柘植 丈治 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (70332260)
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Keywords | バイオポリエステル / ポリヒドロキシアルカン酸 / 代謝工学 / 生分解性プラスチック / エノイルCoAヒドラターゼ / 再生可能資源 |
Research Abstract |
本研究は、様々な組成からなるバイオポリエステルを代謝工学的手法を用いて合成し、その基礎的な高分子物性を解析することを目的として行った。これまでに知られているバイオポリエステルの物性は、硬くて脆いか、柔らかすぎるエラストマー状態のどちらかであった。我々が期待する物性は、それらの中間の物性を有し、フイルム状に成型加工が可能なものである。この目的に合う物性を発揮するポリマーとして、炭素鎖数4の3-ヒドロキシブタン酸(3HB)を主体として数モル%の炭素鎖数6〜12の3-ヒドロキシアルカン酸(3HA)を含むP(3HB-co-3HA)共重合体を本研究のターゲットとした。このポリマーを合成するために、短鎖モノマー(3HB)に活性が高い重合酵素と中鎖モノマー(3HA)の供給能力の高い酵素を組み合わせて大腸菌内で人工的なポリエステル合成経路を構築した。しかし、以前我々が取得した中鎖モノマー供給酵素では供給能力が低く、中鎖モノマー(3HA)がポリマー鎖中に取り込まれなかった。そこで、中鎖モノマー(3HA)の供給能力が高いモノマー供給酵素の取得を試み、バイオポリエステル合成細菌であるPseudomonas aeruginosaから新たに2つの中鎖モノマー供給酵素遺伝子(phaJ3とphaJ4)を得、それらの遺伝子産物のキャラクタリゼーションを行った(Int. J. Biol. Macromol.,2003)。それら2つの酵素のうちの1つは(PhaJ4)は、非常に高い中鎖モノマー供給能力を有していることが分かつた。この酵素は、今後、目的のP(3HB-co-3HA)合成のために有効に利用できると考えられる。
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Research Products
(1 results)