2001 Fiscal Year Annual Research Report
高次神経機能におけるカルモデュリンキナーゼIVの遺伝子欠損マウスを用いた機能解析
Project/Area Number |
13770001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
阪上 洋行 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (90261528)
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Keywords | カルシウム / カルモデュリン / プロテインキナーゼ / 細胞内局在 / 免疫組織化学 / 核 / アイソフォーム |
Research Abstract |
Ca^<2+>カルモデュリン依存性ブロテインキナーゼ(CaMキナーゼ)は、神経系におけるカルシウム情報伝達機構において中心的なシグナル経路を構成しているプロテインキナーゼと考えられている。本研究は、(CaMキナーゼの神経系における機能を形態学的に明らかにするために企画し以下の成果を上げた。 (1)CaMキナーゼIβ2の成熟期神経系における発現解析 神戸大学医学部、南康博教授との共同研究により、一次構造決定と遺伝子発現局在を明らかにして既に報告したCaMキナーゼIの新たな分子種(CaMKIβ2)の神経系における発現局在と細胞内局在を明らかにするために、特異抗体の作成し、本分子の蛋白レベルでの発現を免疫組織学的に解析した。その結果、遺伝子発現局在と一致し、視床核、視床下部、扁桃核、海馬、大脳皮質などに非常に強い免疫陽性神経細胞が認められ、他のCaMキナーゼとは相異なる発現分布を示すことを明らかにした。さらに神経細胞においてCaMKIβ2が核内に非常に豊富に局在することを明らかにし、本分子が、核内で転写因子などのリン酸化などを介した遺伝子発現調節に関与している可能性を形態学的に提示した。 (2)CaMキナーゼIβ2の神経発達過程における発現解析 さらに免疫組織学的解析法により、本分子の神経発達過程における発現局在を検討した。その結果、神経発達過程の非常に早期より、CaMKIβ2の発現することを明らかにし、本分子が成熟神経細胞のみならず発達分化過程の神経細胞において重要な機能を果たす可能性を明らかにした。 (3)CaMキナーゼIγの単離と発現解析 CaMキナーゼIγの単離に成功し全一次構造の決定に成功した。さらに、神経系の遺伝子発現解析を施行した結果、本分子が視床下部に特に豊富に発現することを明らかにした。 以上、申請した実験計画に従い、CaMキナーゼIVの神経細胞における生理的意義の解明のために着実に研究を展開し成果をあげている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Rina-Susilowati, et al.: "Distribution of ca2+/calmodulin-dependent protein kinase I beta 2 in the central nervous system of the rat"Brain Research. 911. 1-11 (2002)
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[Publications] Jusuf, A.A., et al.: "Expression of Ca2+/calmodulin-dependent protein kinase (CAMK) 1b2 in developing rat CNS"Neuroscience. 109. 407-420 (2002)
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[Publications] Yamada, M., et al.: "Loss of hippocampal CA3 pyramidal neurons in mice lacking STAM1"Mol. Cell. Biol.. 21. 3807-3819 (2001)
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[Publications] Owada, Y., et al.: "Localization of epidermal-type fatty acid binding protein (E-FABP) in the alveolar macrophages and some of the alveolar type II epithelial cells in mouse lung"Histochem. J.. 33. 453-457 (2002)
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[Publications] Akiba, Y., et al.: "Localization of mRNAs for phosphatidylinositol phosphate kinases in the mouse brain during development"Gene Expression Pattern. (In press). (2002)