2001 Fiscal Year Annual Research Report
癌のリンパ行性転移モデルを利用した組織間隙・リンパ循環間の連繋の評価研究
Project/Area Number |
13770022
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
水野 理介 信州大学, 医学部, 講師 (30273080)
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Keywords | リンパ管 / 平滑筋 / 内皮細胞 / Rho-kinase / 透過性 / TNFα / F-actin / リンパ節 |
Research Abstract |
1.リンパ管自発性収縮機能に対するRho-kinaseの関与をin vitroの実験系を用いて定量的に検討した。その結果、選択的Rho-kinase阻害薬であるY-27632は、リンパ管の自発性収縮を用量依存的に抑制することが判明した。 2.新たに低酸素培養方法を導入し、ラットから単離した培養リンパ管内皮細胞株を確立し、その形態学的特徴を評価した。その結果、培養ラットリンパ管内皮細胞は第VIII因子関連抗原陽性でありアセチルLDLの貪食能を有することが判明した。また、この細胞株を用いて細胞内骨格タンパク質であるF-actinの配向の検討が可能となった。 3.リンパ管壁における水溶性物質の透過性機構を定量的に評価できる実験系を確立し、リンパ管壁には水溶性物質の分子量依存性の透過性制御機構の存在を証明した。さらに、このリンパ管壁の透過性機序にリンパ管内皮細胞が関与していることが判明した。 4.Tumor necrosis factor α(TNFα)は、リンパ管壁における水溶性物質の透過性亢進を誘起することが判明した。さらにこのTNFαによるリンパ管壁透過性亢進機序にリンパ管内皮細胞の細胞骨格タンパク質であるF-actinのRho-kinase依存性再配向が関与していることが証明された。 5.リンパ節内の微小循環動態を評価できる摘出リンパ節灌流標本と蛍光顕微鏡観察システムを構築し、このシステムの評価を行った。その結果、分子量70000のFITC-デキストランは輸入リンパ管-輸出リンパ管を介してリンパ節内を通過するが、直径約10μmのFITC-マイクロスフェアーはリンパ節内に滞在することが判明した。
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