2001 Fiscal Year Annual Research Report
ミオシンのATP加水分解過程のストレイン依存性を一分子で見る
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13770026
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
白川 伊吹 帝京大学, 医学部, 助手 (80236190)
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Keywords | ミオシン / オプティカルトラップ / エバネッセント |
Research Abstract |
ある種のミオシンでは力発生が2ステップで起こるという知見を追試するとともに、2ステップめがADPの解離にともなうものであるとの予想を検証するために、蛍光ATPの結合解離と力測定の同時計測を試みた。材料としてニワトリ小腸上皮からミオシンIの精製を行い、37℃でin vitoro mobility assayを行った結果0.14±0.05μm/sの滑り運動が確認できた。カバーグラスにはケミカルエッチングの手法でエバネッセント場を作るための台(横10μm縦1μm高さ1μm)を作成し、ニトロセルロースでコートして、低濃度のミオシンI(0.2μg/ml)を吸着させた。アクチン線維はGアクチンとビオチン化Gアクチンを7:1の割合で混合しローダミンファロイジン存在下に重合させた。アクチン線維はその両端をEDCとビオチンを介してアビジン化した直径1μmのマイクロビーズに結合させて二本の近赤外レーザーオプティカルトラップで補足して伸展させ、ミオシンと相互作用させた。一方のビーズはキセノンランプにより明視野照明して4分割フォトダイオードに投影し、発生張力を計測する。1nMCy3-EDA-ATPを基質として、緑レーザーの対物レンズ型エバネッセント顕微鏡で一分子観察を行った。ダブルビユーによりアクチンの位置と蛍光の点滅位置が一致していることを確認してVTRに録画した。現状では基質濃度が低いため事象の発生確率が低く少数のデータしか得られていない。また得られた力発生の記録では2ステップが識別できていない。次年度にはよりステップの大きいミオシンサンプルでの実験を行いたい。また基質濃度と実験温度を上げて事象の確率を上げる予定である。
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