2001 Fiscal Year Annual Research Report
pHプローブ融合アドレナリンα_1受容体作成による受容体調節機構の解析
Project/Area Number |
13770050
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
淡路 健雄 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (60297546)
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Keywords | green fluorescent protein / 細胞内微小環境 / 水素イオン / 可視化測定 / アドレナリン受容体 / 細胞内移行 |
Research Abstract |
受容体細胞内移行と受容体蛋白が微小領域で受ける影響を同時に時空間的に定量できるプローブの開発を目指し今年度は以下に述べる実験を行った。 1.細胞内H^+プローブの開発 H^+感受性の高いEGFPとEYFPの蛍光変化を指標に、基準としてGFPuvを利用することにより定量性の高い、蛍光強度比によるH^+プローブの作成ができると考え、2つのH^+依存性の異なるGFP変異体をタンデムに融合させた遺伝子を作成した。この遺伝子より大腸菌でpHプローブ蛋白を作成し、蛍光強度比のpH依存性を蛍光分光光度計にて確認した。EGFP及びEYFPをGFPuvに融合したプローブの380nmと480nmの励起による520nmの蛍光強度比は共にpH依存性を示し、それぞれのpKaは6.1と6.8で異なるH^+感受性を示した。 2.生細胞でのpH可視化測定 作成したプローブ遺伝子を培養細胞に導入し生細胞レベルでの可視化測定を試みた。細胞内pHを大きく変化させることが知られているNH_4Clの投与により、これまでの化学合成プローブと同様な反応が記録された。また、H^+イオノフォアであるナイジェリシンの投与下に細胞外液のpHを変えた場合、外液pHの変化に依存してその蛍光強度比は変化し、そのpKaはリコンビナント蛋白と同様であった。今回作成した新規GFP利用pHプローブは細胞レベルでも利用可能であることが示された。 3.細胞内小器官依存的pHプローブの開発 これまでは不可能であった細胞内小器官選択的なpH測定を目指し、作成したpHプローブに移行配列を付加する実験を行った。ミトコンドリアに対する移行配列であるチトクロムcの部分配列を融合させた遺伝子を、培養細胞に発現させると、ミトコンドリアの分布に一致して遺伝子の発現が認められ、ミトコンドリアのpHを変化させた場合その程度に応じ蛍光強度比の変化が記録された。 4.α_1受容体融合pHプローブ安定発現細胞の作出 今年度の成果をふまえ、α_1受容体融合pHプローブ安定発現細胞を作成し、その薬理学的特性の検討ならびに、細胞内移行に関わる因子を次年度おこなう予定である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Awaji, T., Hirasawa, A., Shirakawa, H., Tsujimoto, G., Miyazaki, S.: "Novel green fluorescent protein-based ratiometric indicators for monitoring pH in defined intracellular microdomains"Biochemical & Biophysical Research Communications. 289. 457-452 (2001)