2002 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪分化関連転写因子PPARγ,C/EBPαの軟部腫瘍での発現と鑑別診断への応用
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13770080
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
元井 亨 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (50291315)
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Keywords | PPARγ / C / EBPα / 軟部腫瘍 / 脂肪細胞 / 細胞分化 / 病理診断 |
Research Abstract |
【はじめに】PPARγおよびC/EBPαの軟部腫瘍における発現の検討と臨床的鑑別診断への応用について検討した.【対象と方法】軟部腫瘍72例を検討.脂肪肉腫(LPS)23,良性脂肪性腫瘍(BLT)13,血管筋脂肪腫(AML)4,MFH11,横紋筋肉腫5,平滑筋肉腫5,DFSP4,線維肉腫1,悪性神経鞘腫4,血管肉腫1,粘液腫1.ホルマリン固定パラフィン包埋検体を用い,免疫組織化学的にPPARγおよびC/EBPαの発現を検索.粘液/円形型MR,高分化型W-LPS及びMFHでの両者の発現の相関について単回帰分析にて検討.間葉系マーカーの免疫組織化学的検索を行い,陽性細胞の特徴を検索.脂肪性腫瘍のパラフィン包埋材料からのRNA抽出法についてRT-PCR法を用い,GAPDHの発現について検討.【結果】PPARγとC/EBPαはAMLを除く脂肪性腫瘍で共発現があり,MR-LPSでは全例でび漫性に陽性.W-LPSとBLTとの間に差がない.MFHの58%でPPARγが陽性,C/EBPαとの共発現が29%であった.脱分化型脂肪肉腫では脱分化巣と高分化部分で両者の陽性率に差異はなかった.MR-,W-LPSでは両者の発現に相関が認あった(r=0.977および0.856)が,MFHでは低かった(r=0011).C/EBPα単独で発現する腫瘍はなく,他腫瘍では共発現はなかった.脂肪性腫瘍で抽出可能なRNAは通常の組織切片より微量で,結果が不安定であった.【結論と考察】脂肪性腫瘍のPPARγとC/EBPαの発現が明らかになり両者の共発現が脂肪性腫瘍の分化に必要と考えられた.また,その発現は脂肪分化マーカーとして鑑別診断に応用可能と考えられた.MFHは潜在的に脂肪細胞への分化傾向を持つ細胞が含まれている可能性が示唆された.今後はmicrowaveを用いたRNA抽出法などを適用し,核酸レベルで解析する.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 元井 亨 他: "Desmoplastic small round cell tumor 3例における融合遺伝子EWS-WT1の検出について"日本病理学会会誌. 90・1. 190 (2001)
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[Publications] 元井 亨 他: "軟部明細胞肉腫におけるキメラ遺伝子転写産物EWS-ATF1の発現の検討と診断の応用について"日本病理学会会誌. 91・1. 129 (2002)