2001 Fiscal Year Annual Research Report
混合性結合組織病(MCTD)における肺血管内皮細胞傷害の発生機序の解明
Project/Area Number |
13770092
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
黒瀬 顕 岩手医科大学, 医学部, 講師 (70244910)
|
Keywords | 混合性結合組織病 / 肺高血圧症 / 抗内皮細胞抗体 / アポトーシス / Fas |
Research Abstract |
混合性結合組織病(miXed connective tissue disease, MCTD)において肺高血圧症(PH)は重要な合併症であるにもかかわらずその発症機序は不明である.これまでの病理学的検索の結果からMCTDのPH発症に肺血管内皮細胞傷害が関与していると考えられる.そこで,本研究では,抗内皮細胞抗体(AECA)とNK細胞の関与を中心に,肺微小血管,肺動脈および大動脈内皮細胞を用いて解析を行った.MCTD患者血清のみではこれらの細胞のアポトーシス数や生細胞数に違いはなく増殖動態に変化はなかった.フローサイトメトリーによる解析ではMCTDの患者血清中には健常者血清と比べてAECAの高い発現が認められ,中でもMCTD未治療例やPH合併例において肺動脈血管内皮細胞に対するIgG型AECAの発現が高かった.いずれの血管内皮細胞もFas抗原を強く発現しておりFas発現の強さは血清添加の影響を受けなかった.健常者から採取しIL-2で刺激したNK細胞とともに5%の対象血清を加えて肺動脈血管内皮細胞を培養しLDH濃度を測定することにより細胞傷害性を調べたところ,調べた7例のMCTD患者血清のうち,未治療例2例およびPH合併例1例において肺動脈血管内皮細胞傷害性が認められた.これらのことからMCTDではNK細胞とともに血清中に含まれるAECAが肺血管内皮細胞にアポトーシスを誘導しPHを発生させている可能性が示唆された.
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Kurose A, Yoshida W, Yoshida M, Sawai T: "Effects of paclitaxel on cultured synovial cells from ptients with rheumatoid arthritis"Cytometry. 44(4). 349-354 (2001)
-
[Publications] 黒瀬 顕, 澤井 高志: "血管炎"朝倉書店(長澤俊彦監修・橋本博史編集). 365 (2001)