2001 Fiscal Year Annual Research Report
正常前立腺および前立腺癌におけるLAT1蛋白発現の解析
Project/Area Number |
13770095
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
寺戸 雄一 杏林大学, 医学部・病理学教室, 助手 (50327475)
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Keywords | 前立腺癌 / LAT1 / 免疫組織化学染色 / 分化度 / Gleason score |
Research Abstract |
【目的】前立腺癌におけるLAT1蛋白の発現およびその意味の検討を目的とした。 【症例・方法】杏林大学医学部付属病院にて全摘出された前立腺癌手術症例46例を用い、LAT1の発現につき検討した。前立腺摘出材料をホルマリン固定後、パラフィン包埋ブロックを作製し、薄切標本を作製した。標本をmicrowaveにより抗原賦活化後、LAT1による免疫組織化学染色を施行した。 【結果・考察】20/46例(43.5%)で、腫瘍細胞にLAT1の発現が見られた。腫瘍細胞におけるLAT1の発現は局所的ではあるが、陽性部位ではびまん性の陽性像を示した。一部正常前立腺組織でも陽性像が認められたが、正常腺管では少数散在性の陽性像が認められ、また染色性も弱かった。分化度分類との比較では高分化型腺癌で2/12例(16.7%)、中分化型腺癌で8/19例(42.1%)、低分化型腺癌で10/15例(66.7%)の陽性像が認められた。χ2乗p値=0.0333であり、分化度とLAT1の発現の間に有意な相関が認められた。Gleason score(以下GS)との比較では、GS2-6で4/19例(21.1%)、GS7で1/2例(50.0%)、GS8-10で15/25例(60.0%)の陽性像が認められた。χ2乗p値=0.0351であり、Gleason scoreを元にした分類とLAT1の発現の間に有意な相関が認められた。リンパ節転移、精嚢浸潤を示す症例とLAT1の発現との比較ではχ2乗p値はそれぞれ0.5909と0.0531であり、ともにLAT1との間には有意な相関は認められなかった。Ki-67のlabelling indexとLAT1の発現との比較では、p値=0.0332と有意な相関が認められた。以上からLAT1がびまん性に陽性像を示す場合癌と考えられ、またLAT1の発現と癌の悪性度との間には関連性があると考えられた。
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