2002 Fiscal Year Annual Research Report
正常前立腺および前立腺癌におけるLAT1蛋白発現の解析
Project/Area Number |
13770095
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
寺戸 雄一 杏林大学, 医学部, 助手 (50327475)
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Keywords | 前立腺癌 / LAT1 / 免疫組織化学染色 / Gleason score |
Research Abstract |
【目的】前立腺癌におけるLAT1蛋白の発現およびその意味の検討を目的とした。 【症例・方法】杏林大学医学部付属病院にて平成13年・14年に生検されたされた前立腺癌症例115例を用い、LAT1の発現につき検討した。前立腺生検材料をホルマリン固定後、パラフィン包埋ブロックを作製し、薄切標本を作製した。標本をmicrowaveにより抗原賦活化後、LAT1による免疫組織化学染色を施行した。 【結果・考察】25/115例(21.7%)で、腫瘍細胞にLAT1の発現が見られた。腫瘍細胞におけるLAT1の発現は局所的ではあるが、陽性部位ではびまん性の陽性像を示した。一部正常前立腺組織でも陽性像が認められたが、正常腺管では少数散在性の陽性像が認められ、また染色性も弱かった。一方腫瘍細胞においても正常腺管で見られる陽性像と同程度の弱い染色性を示すものも認められたが、これらは陰性とし、強陽性像を示すもののみを陽性とした。Gleason score(以下GS)とLAT1の発現との比較では、GS2-6(GS2-5の症例は0例であり、すべてGS6)で2/49例(4.1%)、GS7で3/8例(37.5%)、GS8-10で20/58例(34.5%)の陽性像が認められた。GS7とGS8-10との間ではLAT1の発現に有意な差は認められなかった(p>0.9999)。GS6以下とGS7以上(LAT1陽性率23/66=34.8%)の2群での分類とLAT1の発現との間には有意な相関が認められた(p<0.0001)。これまでGS7を独立した分類とするべきか、GS8-10に含めて一緒にあつかうべきかが議論されてきたが、GS7を高悪性度群に含めるのが適切だということが示唆された。またLAT1の発現と癌の悪性度との間には関連性があると考えられ、予後判定などに寄与できる可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)