2001 Fiscal Year Annual Research Report
アポトーシス抑制遺伝子EATのコンディショナルノックアウト法による生体内機能
Project/Area Number |
13770114
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大喜多 肇 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50317260)
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Keywords | アポトーシス / 分化 / 胚性幹細胞 / 胎児性癌細胞 / 遺伝子ノックアウト法 / bcl-2 |
Research Abstract |
EAT遺伝子は、ヒト胎児性癌細胞(EC細胞)の分化初期に発現が上昇する遺伝子として単離され、bcl-2関連遺伝子に属する。培養細胞において抗癌剤によって誘導されるアポトーシスを抑制すること、本遺伝子を過剰発現するトランスジェニック・マウス(Tg)では、膵ラ氏島の過形成が生じることが知られている。本研究では、EATの発生段階および個体レベルでの機能を更に詳細にするために、マウスEC細胞、胚性幹細胞(ES細胞)においてEATを欠損させ、アポトーシス、細胞増殖、分化に対する機能解析を行なうこと、ノックアウトマウス作製により個体レベルでの機能解析を行なうことを目的とする。 1.初期胚のモデルであるEC細胞において、本遺伝子を含むBcl-2関連分子群の発現パターンをRNA protection assayにて検討したところ、EATとbaxの発現が高値であり、アポトーシス抑制分子では、EATが、アポトーシス促進分子では、baxが重要と考えられた。 2.EATをコンディショナルにノックアウトするためのターゲッティングベクターを作製した。EATは、3ケのexonからなるが、a)exon1の両端にloxP配列を挿入したベクターおよびb)exon2の両端にloxP配列を挿入したベクターの2種類のターゲッティングベクターの作製を終了した。これらのベクターをF9細胞、ES細胞に導入することにより、本遺伝子の細胞死、細胞増殖、分化に対する機能が解明されることが期待される。 EATは初期胚発生過程のみならず、成獣の多くの臓器(主に上皮)で発現している。コンディショナル・ノックアウトマウスを作製し、成獣でEAT遺伝子をノックアウトすることにより、EATが機能している臓器やEATが果たしている機能が解明されると期待される。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Shinoda K, Nakamura Y, Matsushita K, Shimoda K, Okita H, Fukuma M, Yamada T, Ohde H, Oguchi Y, Hata J, Umezawa A.: "Light induced apoptosis is accelerated in transgenic retina overexpressing human EAT/mcl-1,an anti-apoptotic bcl-2 related gene"Br J Ophthalmol.. 85(10). 1237-1243 (2001)