2001 Fiscal Year Annual Research Report
黄色ブドウ球菌を用いたアトピー性皮膚炎の成因と治療法の解析
Project/Area Number |
13770130
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
佐々木 早苗 弘前大学, 医学部, 助手 (40261440)
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Keywords | 黄色ブドウ球菌 / アトピー性皮膚炎 / OVA / SEC / 好酸球 |
Research Abstract |
当該研究では、アトピー性皮膚炎モデルマウスを用い、アトピー性皮膚炎の発症と感染性及び治療方法について検討した。 OVA感作マウスの皮下に空気を5ml注入しポーチを作製し、ポーチ内へOVA・黄色ブドウ球菌を投与し、24時間後の細胞数及び菌数を測定した。浸潤細胞数においては、OVA群及び対照群である生食投与群は同程度であったが、ポーチ洗浄液及び浸潤細胞内に含まれる菌数は、OVA群において減少の傾向がみられた。好酸球に関しては、OVA群において対照群よりも多量の好酸願粒を観察した。ポーチ感染後、2時間後・24時間の脾臓中には菌が検出されなかったことから、浸潤細胞により貧食殺菌が行われ、その際OVA感作群ではより強い殺菌が行われたと考えられる。以上のことから、黄色ブドウ球菌感染自体はOVA感作マウスの細胞浸潤に影響を与えず、抗原刺激により浸潤した細胞は,むしろ黄色ブドウ球菌のクリアランスに有効である可能性が示唆された。 次にOVA踏感作マウスの皮下(ポーチ中)にStaphylococcal enterotoxin C(SEC)を投与し、浸潤細胞数を比較した。対照群(C)、対照群の皮下にOVAとSEC投与したマウス(COS)、OVA感作マウスの皮下にOVA投与したマウス(OO)、OVA感作マウスにOVAとSECを投与したマウス(OOS)のポーチ洗浄液中の全細胞数は、C群と比較し、COS群ではC群の2倍、OO群は3倍、OOS群では6倍の細胞数の増加が認められた。好酸球数に関しては、C群と比較し、COS群ではC群の3分の1、OO群は4倍、OOS群では5倍の好酸球数の変動が認められた。以上の結果から、正常状態でもSECは細胞浸潤に影響を与えるが、抗原刺激によりある程度細胞浸潤が起きていた場合、SECによりさらに強い細胞浸潤が起こる可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)