2001 Fiscal Year Annual Research Report
日本人における虚血性心疾患の危険因子としての心理社会的要因の評価
Project/Area Number |
13770171
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
小嶋 雅代 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (30326136)
|
Keywords | 心理社会的要因 / 心拍変動 / 抑うつ / BDI-II / アレキシサイミア / ソーシャルサポート / 追跡調査 / 予後予測 |
Research Abstract |
1.日本語版ベツク抑うつ評価質問票(BDI-II)の信頼性・妥当性の検討 某健診施設受診者に、調査への協力を依頼。書面にて同意の得られた886名の回答を集計・解析したところ、BDI-II21項目のCronbachのα係数は0.87で、理想的な内的一貫性を示す値が得られた。我が国で現在普及している既存の抑うつ質問紙CES-Dとのピアソン相関係数は0.71(95%CI0.66-0.75)と妥当な値を示し、また探索的・確認的因子分析においても、原版と同じ2因子構造が忠実に再現された。以上により、日本語版BDI-IIの高い信頼性と妥当性が確認された。 2.心理社会的要因(抑うつ、アレキシサイミア、ソーシャルサポート)と心拍変動との関連 協力血液透析施設に通院中の血液透析患者を対象とし、書面にて調査への同意の得られた者に、抑うつ度(BDI-II)、アレキシサイミア度(TAS-20)、ソーシャルサポート(SSQ)を評価する質問紙を手渡し、必要あればソーシャルワーカーが説明しながら記入してもらう。24時間ホルター心電図データから、透析患者の予後予測に適すると考えられている長期心拍変動に関する種々の指標を算出し、心理的要因、および虚血性心疾患の既知のリスクファクターとして知られる様々な検査データとの関連を統計学的に検討する。2001年5月から調査を開始し、2001年12月末までに98名のデータが集められた。2002年4月末までにさらに150名までのデータを収集する予定である。また、これらの集団に対して順次半年毎に追跡調査を行い、心理的要因の変化、およびベースライン調査と虚血性心疾患、死亡との関連について調べていく予定である。既に2001年12月末までに27名の初回の再調査を行なった。
|