2001 Fiscal Year Annual Research Report
新しい嗅覚検査機器を用いた化学物質過敏症患者の嗅覚閾値の検討
Project/Area Number |
13770173
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
遠乗 秀樹 北里大学, 医学部, 助手 (50286291)
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Keywords | 化学物質過敏症 / 嗅覚 / 本態性多種化学物質過敏状態 / 嗅覚閾値 / 嗅覚検査 |
Research Abstract |
平成13年度は、嗅覚検査機器の完成と正常対象者での嗅覚閾値の測定を目的に機器開発を行ってきた。今年度研究費にて、機器部品を新たに購入し、機器の完成を目指したが、技術的な問題が顕在化した。その問題点とは、 1.流量と濃度設定が不安定になる。 2.当初、機器は排気も含め、完全な閉鎖回路となるよう設計したが、排気ガスを捕集する方法が設計段階のものでは対応できない。 である。現在もこの点を改良しつつ、一日も早い完成を目指している。 計画の段階では、今年度は機器の開発とその機器による検査を行う予定であったが、上記問題を解決する上で更に時間を要したため、検査で使用を予定している嗅覚刺激物質の検討を行った。対象は20代から40代の男女で、検査には、嗅覚識別検査を使用した。この嗅覚識別検査は、食べ物や植物など、日常的な40種類の臭い(以下、臭素)から構成されており、マイクロカプセルを金属棒でこすり、その臭素について正解を四者択一で求めるという形式で実施される。 正常対照者のみの集計結果からは、米国人での先行研究より正当数が少ない結果となり、日本人に馴染みのない臭素の影響が示唆される結果となった。また、必ずしも経験のあるものが正答率が高いとも限らないことから、選択肢の組み合わせによる正答率の導きやすさが存在する可能性も示唆された。 平成14年度は、機器の完成と、嗅覚検査の実施を目指すとともに、上記嗅覚認知検査上の化学物質過敏症と正常対照者の違いをまとめ、検査機器で使用する臭いのもととなる物質の決定を行う予定である。
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