2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13770190
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
中村 恵子 岐阜大学, 保健管理センター, 助手 (80313914)
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Keywords | UPI(学生精神的健康調査) / 留年・退学 / Lie Scale |
Research Abstract |
【目的と方法】入学時に実施したUPI(University Personality Inventory ; 学生精神的健康調査)と4年の後の留年・退学状況を比較検討し、留年・退学者の心的特性を明らかにした。また、その場合の、○×方式(○×のいずれかを回答)と自発記入方式(該当する項目のみチェック)での、UPIの記入方式の違いによる影響を調査した。 【結果】男性学生のUPI平均得点は、○×方式で7.81±7.07(Mean±S.D.)、自発記入方式で4.90±5.17で、自発記入方式の方が有意に低くなっていた。留年・退学との関連についてみると、○×方式では20点以上の群で、自発記入方式では15点以上で、それ以下の得点の学生群に比べ、留年・退学率の上昇傾向が認められた。その内容を見ると、いずれの記入方式でも、抑うつ尺度の得点が留年・留年群で高く、「根気が続かない」「気分に波がありすぎる」の項目にチェックした者の割合が有意に高かった。肯定的な項目であるLie Scaleに一つでもチェックがあったかどうかに着目すると、いずれの記入方式においても、UPI得点が低い学生ではLie Scaleの有無で留年・退学率に大きな差を認めなかったが、高得点群では、Lie Scaleにチェックが一つも無い者の留年・退学率が、チェックありの者に比べて1.7倍ほど高くなっていた。また、一つでもチェックありの割合は、自発記入方式では27.2%で、UPI得点の高低に関わらずほぼ一定の割合であるのに対し、○×方式ではチェックありが71.0%とはるかに高いが、UPI得点が20点以上の高得点群では54.6%と低くなってるのが特徴であった。 【まとめ】UPIの記入方式にかかわらず、入学時UPIから、一部の者については、4年後の卒業状況がどれくらいか推測することは、ある程度は可能であるといえる。
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