2001 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病の遺伝的要因の解明と生活習慣要因との相互作用の検討
Project/Area Number |
13770207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
森田 明美 近畿大学, 医学部, 講師 (40262638)
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Keywords | アルツハイマー病 / 遺伝子多型 / 生活習慣要因 / アポリポプロテインE / 症例対象研究 |
Research Abstract |
1997〜98年に、福井県内の各病院の入院・通院患者より、精神科医によりNINCDS-ADRDAの診断基準に照らしてアルツハイマー病と診断された70歳以上の高齢者70人を抽出しコントロールとして、同一地域内の在宅の70歳以上の高齢者より性別をマッチさせた140人の痴呆でない者を抽出した。対象者の既往歴・現病歴・家族歴、日常生活自立度、介護状況、生活習慣(飲酒、喫煙など)を聴取し、栄養学的指標として、血清中の総タンパク質アルブミン、脂質(コレステロール、中性脂肪、アボリポプロテインなど)を測定した。痴呆の有無や程度は、HDS-R、Mini-Mental State Examination等の知的機能検査によって確認した。CT等の画像検査が実施可能な者については、その結果も聴取した。対象者には、調査の趣旨を説明し、同意を得て血液を採取しDNAを抽出した。 1、解析対象者 最終的な調査参加者は、痴呆患者63名(男20名、女43名)、コントロール138名(男50名、女88名)であった。平均年齢は男76.3歳、女77.8歳。コントロール群のHDS-R平均点数は27.0/30点であった。コントロール群でもHDS-R20点未満ものが4名いた。DNAを抽出のための血液採取は痴呆患者群63名、コントロール群137名から行った。 2、遺伝子多型の解析 対象者の血液試料より抽出されたゲノムDNAを用いて、アポリポプロテインEの遺伝子型を現有のTaKaRa社製TP3000を用いたPCR-RFLP法により解析した。ε3/4およびε4/4の頻度はコントロール群より患者群が高い結果であった。シナクレイン遺伝子型の検索条件を検討中だが、アガロースゲルでは電気泳動後のバンドの分離が困難であるので、購入したマイクロチップ電気泳動装置で条件を検討中である。
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