2001 Fiscal Year Annual Research Report
法医学実務に利用するヒトABH抗体のin vitro発現系の開発
Project/Area Number |
13770218
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
金子 美華 山形大学, 医学部, 助手 (00323163)
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Keywords | ABO式血液型 / 自然抗体 / ヒトモノクローナル抗体 / ELISA法 / フローサイトメトリー法 / 細胞融合実験 |
Research Abstract |
本研究は、従来、実務においてABO式血液型の型判定に利用されてきたヒト血清と同等の能力を持つ代替品、すなわち多価ないし高親和性ヒト抗体を、分子生物学的手法を用いて作製することを目的としている。 本研究の最も基礎となる部分、全リンパ球から目的の抗体産生Bリンパ球を、少なくともある一定期間培養出来る株として単離・樹立する、という点について、以下の2種類の方法を検討した。(1)EBウイルスにてオリゴクローン化する方法:末梢血Bリンパ球をEBウイルスにてオリゴクローン化し、陽性株をフローサイトメトリー法を用いて検索した。得られた陽性リンパ球よりイムノグロブリン可変領域をRT-PCR法にて取得した。これを大腸菌発現ベクターに組み込み、ELISA法を用いて目的の抗体活性を持つH鎖、L鎖の組み合わせを単離し、塩基配列を決定した。(2)細胞融合法を用いたヒトイムノグロブリンハイブリドーマの産生方法を検討した。まだ実験に改善の余地はあるものの、ようやくいくつかのクローンが得られた。これらのクローンを用いて、抗ABH抗体の塩基配列を決定し、オリゴクローン化細胞株から得られた配列との比較検討を行う予定である。また、ヒトイムノグロブリンハイブリドーマ産生法がより効率よく確実に行えるよう、実験方法のさらなる改良を行っていく。ヒトハイブリドーマの樹立方法が確立すれば、オリゴクローン化細胞株では必須であった大腸菌発現系を利用せずとも、抗体配列の決定、抗体の大量精製が行えるので、大変有用な方法である。安定した結果をもたらす簡便な方法の確立を検討している。
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