2001 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化病変局所におけるLeY抗原発現とその機能解析
Project/Area Number |
13770220
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
牛山 郁子 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (70283562)
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Keywords | 動脈硬化 / LeY抗原 / 泡沫細胞 / α-(1,3)-fucosyltransferase / α-(1,2)-fucosyltransferase |
Research Abstract |
法医解剖症例全21症例から採取した左冠動脈主幹部,大動脈弓部あるいは腹部大動脈-総腸骨動脈分岐部に免疫染色を施した.年齢分布は0歳(1ヶ月)から83歳であった.血液型はA型10症例,B型6症例,O型が5症例であった. 抗LeY抗体(DAKO Japan,Kyoto,Japan)はO型個体の粥腫周囲に存在する泡沫細胞で発現していた.A型個体はα-N-acetylgalactosaminidase(2u/ml in 50mM citrate buffer pH6.5,37℃,6hours*4)処理,B型個体はα-galactosidase(1u/ml in 0.2M citratephosphate buffer pH3.85,37℃,24hours)処理により泡沫細胞での発現が認められた.動脈の内皮に脂肪線状が認められる,あるいは肉眼的変化が認められない血管壁の内皮下にマクロファージあるいは泡沫細胞が認められたが,いずれも抗LeY抗体による染色性は認められなかった. 以上の結果より,冠動脈,大動脈の粥状動脈硬化病巣に集簇する泡沫化したマクロファージはLeY抗原を発現し,血液型がA型,B型個体においてはALeY,BleY抗原として発現していることが判明した.マクロファージを変性リポ蛋白により泡沫化させることによりα-(1,3)-fucosyltransferase(α1,3FuT)ファミリーのうち,FuTIVおよびFuTVIIの活性が減少することが報告されている.本研究においてLeY抗原の発現は粥腫周囲の泡沫細胞に認められ,マクロファージの泡沫化が初期段階である,あるいは泡沫化していないマクロファージにおいては認められなかったことから変性リポ蛋白によるマクロファージの泡沫化においてα1,2FuT活性が上昇,Le型抗原の合成経路のうちLeY抗原合成経路が活性化されることが推測された. この成果発表は平成14年4月に第86次日本法医学会にて行う予定である.
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Research Products
(1 results)