2002 Fiscal Year Annual Research Report
肥満細胞特異的Stat6アイソフォームの発現制御機構とその機能解析
Project/Area Number |
13770231
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中島 裕史 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (00322024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩本 逸夫 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (10111436)
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Keywords | 肥満細胞 / Stat6切断酵素 / 65kDa Stat6 / 蛋白分解酵素 / セリンプロテアーゼ / Stat5切断酵素 / 核局在 |
Research Abstract |
本研究者は、種々の血球系細胞におけるcommon cytokine receptorγ鎖(γc)依存性シグナルを解析する過程で、肥満細胞には通常の細胞に発現していない65-kDaのStat6 (65-kDa Stat6)が特異的に発現している事を見出した(Blood 96:2172-2180,2000)。そして、本申請研究では、65kDa Stat6の産生機構及びその生理的意義の解明を目指して研究を行い、1.65-kDa Stat6は、肥満細胞に特異的に存在する切断分解酵素によりStat6のC端が切断されることにより産生されること、2.Stat6切断酵素活性は、肥満細胞の核内に限局していること、3.Stat6切断酵素は、未分化な骨髄球系細胞に存在するStat5切断酵素とは異なること、4.Stat6切断酵素は、セリンプロテアーゼインヒビターにより特異的に阻害されること、5.65-kDa Stat6はIL-4による通常型Stat6の活性化に対して優性抑制性に機能すること、6.Stat6切断酵素に抵抗性を示す変異Stat6をStat6欠損肥満細胞内に発現させると野生型Stat6に比して強い転写活性を有することを見出した(J. Exp. Med. 196,27-38,2002)。すなわち、肥満細胞においては、活性化されたStat6が核内に移行した後にStat6切断酵素により切断をうけ、その結果産生された65-kDa Stat6がIL-4反応性を抑制性に制御するという特異な制御機構が存在することが示唆された。 現在、レトロウイルス発現法を用いて肥満細胞ライブラリーから内因性Stat6抑制物質をスクリーニング中である。本スクリーニングによりStat6切断酵素の単離が可能と考える。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Ikeda K, Nakajima H, Suzuki K, Suto A, Saito Y, Iwamoto I.: "Mast cells produce Interleukin-25 upon FcεRI-mediated acivation"Blood. 100(in press). (2003)
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[Publications] Nakajima H, Suzuki K, Kagami S-i, Suto A, Saito Y, Akira S, Iwamoto I.: "Proteolytic processing of Stat6 signaling in mast cells as a negative-regulatory mechanism"J. Exp. Med.. 196. 27-38 (2002)
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[Publications] Suto A, Nakajima H, Nakayama T, Taniguchi M, Saito Y, Iwamoto I.: "CD4+CD25+T cell development is regulated by at least two distinct mechanisms"Blood. 99. 555-560 (2002)
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[Publications] Kunstle G, Pierron G, Kagami S-i, Nakajima H, Noguchi M.: "Identification of Akt association and oligomerization domeins of the Akt kinase coactivator TCLl"Mol. Cell. Biol.. 22. 1513-1525 (2002)