2001 Fiscal Year Annual Research Report
消化器系(食道、胃、大腸)前癌病変における発癌予測
Project/Area Number |
13770260
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
八島 一夫 鳥取大学, 医学部・附属病院, 助手 (80314590)
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Keywords | 食道癌 / 胃癌 / 大腸癌 / 前癌病変 / FHIT / p53 / COX-2 |
Research Abstract |
消化器癌(食道、胃、大腸)および前癌病変標本を用い、FHIT(fragile histidine triad)遺伝子、p53遺伝子、がん関連蛋白であるCOX-2の関連につき検討した。 1.食道癌発癌機序の検討 外科的に切除された食道癌(扁平上皮癌)75例のホルマリン固定パラフィン包埋標本を対象としFhit蛋白発現、p53発現を免疫染色により解析した。Fhit蛋白発現消失、減弱は89.3%に認められ、また前癌病変であるdysplasiaにおいても異常が認められ、発癌に重要な役割をはたしている可能性が示唆された。Fhit蛋白発現とp53発現との間には関連は認めなかった。 2.胃癌発癌機序の検討 内視鏡的粘膜切除または外科的切除された胃腺腫21例、m癌42例、sm癌10例、進行癌26例のホルマリン固定パラフィン包埋標本を対象としFhit蛋白発現を免疫染色により解析した。 胃腺腫の38%、m癌の64%、sm癌50%、進行癌の88%にFHIT蛋白の減衰または消失を認め、FHIT遺伝子の異常は胃癌発生の早い段階に認められ、発癌に重要な役割を果たしている可能性が示唆された。 3.大腸癌発癌機序の検討 外科的に切除されたsm浸潤大腸癌34例のホルマリン固定パラフィン包埋材料を対象としCOX-2蛋白発現を免疫染色により解析した。評価にあたり、sm癌をadenoma-carcinoma sequenceによる発癌の可能性が高いPG(polypoid growth)とde novo発癌の可能性が高いNPG(non polypoid growth)の2型に分類した。sm浸潤大腸癌においてNPG typeではPG typeに比較し腫瘍部COX-2発現頻度が有意に低く、de novo cancerでは発癌過程にCOX-2が関与しない別経路の存在も考えられた。
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Research Products
(1 results)