2002 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌の浸潤・転移におけるADPリボシル化因子6(ARF6)の役割の解明
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13770295
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
佐田 誠 山形大学, 医学部, 講師 (00280892)
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Keywords | 肺癌 / ADP-ribosylation factor 6 (ARF6) / 浸潤 / 転移 / 細胞運動 |
Research Abstract |
本年度も,ARF-GEP100 polyclonal抗体を使用しヒト切除肺癌組織および隣接正常肺組織からの抽出蛋白に対してWestern blotにてARF-GEP100の発現状況を調べることを継続しているが,やはり癌組織中での発現が高い傾向が認められている。さらに,我々は現在Human ARF6のC末端側の12アミノ酸(CKLTWLTSNKYS)に対するポリクローナル抗体と,ARF-GEP100の153-176番目のアミノ酸(RARDTEPQTALHGMDHRKLDEMTA)に対するポリクローナル抗体を作製している。 また,遺伝子工学的手法を用いてARF6の活性型変異体ARF6(Q67L),不活性型変異体ARF6(T27N)の発現ベクターを作製した。さらに前年度の実験結果をもとに野生型ARF6発現ベクター,上述の変異体発現ベクター,あるいはARF-GEP100, EFA6, ACAP1/2といったARF6調節因子の発現ベクターを肺癌細胞株にトランスフェクションし,ARF6あるいはARF6調節因子の癌細胞株の表現型に与える影響を検討する予定である。具体的には,親株,mock transfectants,上記各種トランスフェクタント,に対して以下の事項につき検討する予定である。 (1)細胞増殖能 alamarBlue assay法,コロニーフォーメーションアッセイ法にて細胞増殖能の変化を調べる。 (2)In vitro invasion assay transwell chamber法を用いて細胞の浸潤能の変化をin vitroで評価する。 (3)細胞形態と細胞内局在の観察 Phase-contrast microscopyを用いて細胞形態の変化を観察するとともに,confocal imunofluorescence microscopyにより各蛋白の細胞内局在とactin cytoskeletonの存在様式を観察する。 (4)ヌードマウスを使ったin vivoにおける増殖・転移能の検討 各種トランスフェクタントをヌードマウス皮下に移植(あるいは尾静脈注入)後,経時的に腫瘍サイズを測定し4〜8週間後に肺表面の転移結節数を数え,転移・増殖能の変化につき検討を加える。また転移・増殖能に変化がみられた場合は,ARF6(Q67L), ARF-GEP100, EFA6のトランスフェクタントにARF6, ARF-GEP100, EFA6のantisense cDNAを各々co-transfectionし同様の検討を行い上記実験で得られた結果の特異性につき評価するとともに治療の標的の可能性についても検討する。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yamaoka-Tojo M et al.: "Dual response to Fas ligation in human endothelial cells : apoptosis and induction of chemokines, interleukin-8 and monocyte chemoattractant protein-1"Coron Artery Dis. 14(1). 89-94 (2003)
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[Publications] Nitobe J et al.: "Reactive oxygen species regulate FLICE inhibitory protein (FLIP) and susceptibility to Fas-mediated apoptosis in cardiac myocytes"Cardiovasc Res. 57(1). 119-128 (2003)