2001 Fiscal Year Annual Research Report
気管支喘息におけるインターロイキン10産生T細胞の病態制御的意義についての研究
Project/Area Number |
13770298
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松元 幸一郎 九州大学, 医学部・附属病院, 助手 (60325462)
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Keywords | インターロイキン10 / 気管支喘息 / T細胞 / 重症度 / 吸入ステロイド / 好酸球 / 気道過敏性 / 難治性喘息 |
Research Abstract |
(背景と目的)気管支喘息の重症化・難治化に注目し内因性IL-10の関与を検討した。 (対象と方法)アトピー性喘息患者の末梢血から単核球を分離し無刺激あるいは抗CD3および抗CD28抗体でT細胞を刺激しIL-1O産生を促した。培養終了後に蛍光標識抗CD4,抗CD45ROおよび抗CD54抗体で染色し、さらに細胞膜透過処理し蛍光標識抗IL-10抗体を加えたのちフローサイトメトリーにてIL-10産生CD4^+T細胞比率を測定した。また各患者における誘発喀疾中の好酸球比率、気道過敏性、および吸入ステロイド使用量も併せて検討した。患者を症状、肺機能に従って軽症、中等症、重症に分け、各パラメータについて検討した。 (結果と考察)重症度が進むほど高用量の吸入ステロイドが使われており、重症群では高用量ステロイド治療にもかかわらずコントロール不良で難治性喘息に該当していた。この群では喀疾中好酸球増多は抑制されておらず、気道過敏性亢進も軽症群、中等症群に比べて顕著であった。1L-10産生CD4^+細胞はCD45RO^+CD54^+の活性化メモリー細胞群にほぼ限られて認められた。無刺激の場合、健常者群と比べてIL-1O産生細胞比率は軽症群で有意に高値であったが重症群では差がなかった。刺激後のIL-10産生細胞比率は軽症、中等症群ともに健常者群と同程度に保たれていたが重症群では有意に低値であった。以上の結果から難治性喘息患者ではCD4^+T細胞におけるIL-10産生が低下していることが明らかとなった。この産生低下が治療抵抗性の成立に本質的に寄与しているかどうかについて検討を進めていく予定である。
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