2001 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄小脳失調症6型における核転写因子障害と神経細胞死
Project/Area Number |
13770318
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
大和田 潔 東京医科歯科大学, 医学部・附属病院, 助手 (40313241)
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Keywords | 脊髄小脳失調症6型 / 核転写因子 / 神経細胞死 |
Research Abstract |
我々はこれまでポリグルタミン数の異なるヒト全長alpha 1aカルシュウムチャンネルを持続的に発現する細胞系列において、細胞死の解析を続けてきた。他のいわゆるポリグルタミン病においては、ポリグルタミン数の延長が核転写因子の機能異常をきたし、細胞死を誘導することが報告されてきた。今回、本奨励研究Aにより、我々はルシフェラーゼアッセイ系を用いた核転写因子測定系を確立できた。細胞系列によって、適切な条件決めが必要なためそのアッセイは難しく、難儀したが、トランスフェクトするDNA量とリポフェクト法の試薬量の至適値を決定、核転写因子活性を安定してアッセイすることが出来るようになった。この系を用い、すでに細胞死をひき起こしやすいことが確認されているポリグルタミン鎖が長い細胞系列と正常のポリグルタミン鎖数における血清除去による細胞死誘導下における核転写因子AP1, CRE, NFkB, SRF, p53, NFAT, SREにおいて測定した。その結果、血清除去下では、各々の核転写因子が様々な挙動をしめすことが確認された。特にNFATはポリグルタミン鎖数が長い細胞系列で優位な差を持って上昇していた。しかしながら、その上昇はわずかな上昇で、それが細胞死にどのような影響を与えているのか、現在確認中である。NFATはカルシニューリンを介した系であり、現在、カルシニューリン活性阻害薬投与後のNFATの活性化などを計測中である。今後、細胞内シグナルを介した核転写因子について、実験を続けていく予定である。
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