2001 Fiscal Year Annual Research Report
アデノウイルスベクターを用いたラット黒質におけるα-Synucleinの強制発現
Project/Area Number |
13770322
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
野村 拓夫 愛媛大学, 医学部, 講師 (20322274)
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Keywords | パーキンソン病 / α-synuclein / 6-OHDA / アデノウイルスベクター / ラット |
Research Abstract |
α-synucleinの機能を知る上で、wild typeおよび家族性パーキンソン病に関連した変異タンパクをコードする2つのDNA(A30T, A53T)点変異遺伝子をFeanyらより入手した。これらの遺伝子がコードするタンパクを強制発言させるためにアデノウィルスベクターを用いることとした。まずα-synuclein遺伝子をコスミドベクターに挿入。293 (Human Embryonic Kidney) cellにアデノウイルスゲノムDNAと共にco-transfectionし、目的遺伝子が組み込まれた組み替えアデノウイルスを増殖させた。一方ラットヘの定位脳手術であるが、現在十分な感染の所見が免疫組織染色上では得られていない。 この問題を解決すべく現在いくつかの項目について検討を加えている。 1) 使用するラットの種により感染性の差異が生じる可能性があるため、種を変えて実験を試みる。具体的にはSDおよびWistarラットの2種について比較検討を加える。 2) 免疫組織染色の手法の改良、っまり染色の際抗体を重層する方法では抗体の浸透の問題があり、長時間のincubationが困難である。この解決策としてfree floatingによる長時間のincubationを試みること。 また場合によってはパラホルム固定切片そのものから凍結切片を用いる。 3) ウイルス注入部位の検討。黒質のみならずmedial forebrain bundle(MFB)や線状体なども考慮する。 4) フィルターユニットを用いてウイルスの濃縮を試みる。 ただし4)については培養細胞系については変化を来すことが確認されているため、1)-3)について現在検討を加えている。方法論を再検討している段階であるため、現在のところ論文として公表するには至っていない。
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