2002 Fiscal Year Annual Research Report
細胞増殖因子、細胞外基質による骨髄間質細胞から心筋細胞への効率的分化誘導法の確立
Project/Area Number |
13770366
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
藤田 淳 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10306706)
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Keywords | 幹細胞 / 細胞増殖因子 / 細胞外基質 / 心筋細胞分化 |
Research Abstract |
1.細胞増殖因子、サイトカインによる心筋細胞分化誘導効率の検討 最終分化誘導前のCMG細胞を20%ウシ胎仔血清の存在下で培養しTGF-β_1(5、10ng/ml)を添加すると、2週後にRT-PCRレベルでNkx2.5およびミオシン軽鎖-2v mRNAの弱い発現を認めた。一方、BMR-2、Activin A、FGF-1/2、IGF-1、LIF、CT-1、PDGF、HGF、EGFの単独添加による心筋への分化誘導は認めなかった。次に、TGF-β_1とその他の細胞増殖因子との併用投与、あるいはTGF-β_1と5-azacytidineとの併用投与を試みたが、Nkx2.5やミオシン軽鎖-2v mRNAの更なる発現増強は認められなかった。いずれの場合も転写因子GATA4、MEF2A〜D、cardiac actin、ミオシン重鎖、心房ナトリウム利尿ペプチド、α_1/β_1/β_2カテコラミン受容体、M_2ムスカリン受容体mRNAは発現していなかった。また、MF20(抗sarcomeric myosin抗体)による免疫染色では染まらず、細胞の自己拍動も認めなかった。現時点ではTGF-β_1の添加によるCMG細胞の心筋細胞様分化の機序は解明できていない。 2.細胞外基質による心筋細胞分化誘導効率の検討 分化誘導前のCMG細胞を20%ウシ胎仔血清の存在下で培養し、5-azacytidine(3μM)で最終分化誘導を行った。ファイブロネクチン20γ/mlで30分間前処理した培養皿を用いたところ、4週の時点における心筋分化誘導効率は対照群と比較して若干増加したが有意差を認めなかった。なお、コラーゲン、ラミニン前処理の培養皿では有意な変化を認めなかった。
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