2001 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト急性骨髄性白血病(AML)に伴うDICモデル動物の作成とその分子機構
Project/Area Number |
13770405
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
近藤 健介 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70286524)
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Keywords | NOD / SCIDマウス / 急性前骨髄急性白血病 / 播種性血管内凝固症候群 |
Research Abstract |
急性骨髄性白血病(AML)の重篤な合併症として播種性血管内凝固症候群(DIC)はよく知られている。特にAPLはDICの成因と考えられる物質が豊富な細胞内一次顆粒を多数有し、DICを高率に合併するため寛解導入困難であった。最近、オールトランスレチノイン酸(ATRA)を用いた分化誘導療法によって本疾患の寛解導入率が著明に高くなっているものの、このATRA不応例は多く存在している。また、免疫不全マウスに移植して白血病化するヒトAML細胞株は、これまでになく、白血病に伴うDICモデルの確立は不可能であった。 われわれは重度のDICの合併を伴ったAML患児で、ATRA不応であった症例の末梢血より、細胞株KOPM-88を樹立した。本細胞株は、株化後も細胞内一次顆粒を多数有しており、さらに重度な免疫不全マウスであるNOD/SCIDマウスへ異種移植することにより、骨髄浸潤を伴うヒトAML浸潤モデルが再現された。そこで、このモデルを応用してDICモデルの作成を試みた。 NOD/SCIDマウスにKOPM-88細胞を2×10^7cellを尾静脈から静注し、約60日後に、脊髄への白血病細胞浸潤により下半身麻痺が出現したマウスの脊髄、骨髄、肝臓、腎臓など全身臓器の組織を採取し、病理組織学的解析を行った。またDICによる微小血栓形成は、PTAH染色により検討した。現在のところ、組織学的にはDICの所見を認めていないが、今後、血液凝固学的手法により、血小板数、APTT、PT、フィブリノーゲン値などの測定をする予定である。また本ヒトAML浸潤モデルマウスにおいて、ヒトTNF-αを投与することでKOPM-88細胞からの一次顆粒の放出を誘導し、DIC発症を誘導すること試みる予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kondoh K, Nakata Y, Furuta T, Hosoda F, Gamou T, Kurosawa Y, Kinoshita A, Ohki M, Tomita Y, Mori T: "A pediatric case of secondary leukemia associated with t(16;21)(q24;q22) exhibiting the chimeric AML1-MTG16 gene"Leukemia and Lymphoma. 43(印刷中). (2002)
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[Publications] Zhao C, Hashiguchi A, Kondoh K, Du W, Hata J, Yamada T: "Exogenous expression of heat shock protein 90kDa retards the cell cycle and impairs the heat shock response"Experimental Cellular Research. 274(印刷中). (2002)
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[Publications] Fujita T, Yamada T, Hashiguchi A, Kondoh K, Fukushima S, Fujimoto J, Hata J: "Augmentation of megakaryocytopoiesis by the hematopoietic microenvironment of human granulocyte colony-stimulating factor transgenic mice"Experimental Hematology. 29. 1010-1018 (2001)