2001 Fiscal Year Annual Research Report
バーキットリンパ腫細胞の糖脂質膜ドメインを介するアポトーシス誘導機構の解析
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13770407
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
森 鉄也 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50245544)
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Keywords | CD77 / 糖脂質膜ドメイン / バーキットリンパ腫 / アポトーシス / caspase |
Research Abstract |
バーキットリンパ腫細胞のCD77を介するアポトーシス誘導機構を明らかにし、その知見に基づき、バーキットリンパ腫治療におけるアポトーシス誘導療法など新規治療法の確立を最終目標とした。CD77を刺激する分子として、Shiga toxin 1(Stx1)および抗CD77モノクローナル抗体を、バーキットリンパ腫細胞としてStx1によるアポトーシス誘導に高い感受性を示すRamosを使用し解析を行った。すでに、Stx1によるRamos細胞のアポトーシス誘導に糖脂質膜ドメインを介したsrc型チロシンキナーゼLynの活性化が密接に関与している可能性を報告した。今回、CD77の架橋により誘導されるアポトーシスの刺激伝達機構におけるcaspaseの役割について解析した。Ramos細胞において、Stx1処理後、caspase-3,-7,-8の活性化を認めた。また、caspaseの活性阻害実験の結果からcaspase-8はcaspase-3,-7の上流に位置すると考えられた。これらの結果は、Stx1によるCD77/GEMを介するバーキットリンパ腫細胞のアポトーシス誘導刺激伝達と、Fasを介するアポトーシス誘導刺激伝達のcaspase cascadeの類似を示唆した。しかし、抗Fas抗体、TNF-alphaの添加はStx1によるバーキットリンパ腫細胞のアポトーシス誘導に影響をおよぼさなかった。したがって、CD77によるアポトーシス誘導系とFasあるいはTNF-alpha受容体を介するアポトーシス誘導系は互いに独立したものであると考えられる。CD77を介するアポトーシス誘導におけるcaspase-8の活性化の機序は明らかではないが、特異抗体によるCD77の架橋によってもcaspase-8の活性化が認められたことから、糖脂質膜ドメインを介した刺激伝達が関与するものと推定される。今後、その分子機構の詳細を明らかにすることによって、バーキットリンパ腫に対するアポトーシス誘導療法への応用が期待される。
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Research Products
(1 results)